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2025.01.08

Joshin 試用レポート

「生音質」を楽しめる完全ワイヤレスイヤホン テクニクス「EAH-AZ100」を試聴レビュー!

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テクニクス 完全ワイヤレス Bluetoothイヤホン EAH-AZ100

テクニクスの完全ワイヤレスイヤホンに、新モデル『EAH-AZ100』が登場しました。
テクニクスのフラッグシップ有線イヤホンで採用している「磁性流体ドライバー」を搭載し、歪みの少ない原音そのままの、聴き心地のいい音を再生します。
音質重視で選びたい方は、候補に入れて間違いありませんよ! ライター:もあ

「磁性流体ドライバー」を新搭載した テクニクス『EAH-AZ100』

  • 「AZ100」のパッケージ
    「AZ100」のパッケージ
  • セット一覧
    セット一覧
セット内容 本体、充電ケース、イヤーピース(XS/S/M/ML/Lサイズ)USB充電ケーブル、取扱説明書
質量(約) 片方5.9g
バッテリー(約) 充電時間:本体+充電ケース同時充電 3時間
連続再生時間:10時間(NCオン/AAC再生時)、充電ケースを含む:28時間
対応コーデック SBC、AAC、LDAC、LC3
防塵・防水性能 IPX4※相当(本体のみ)
※ いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない

今回登場した『EAH-AZ100(以下:AZ100)』は、2023年に発売されてから今も人気が続いている「EAH-AZ80(以下:AZ80)」の上位モデル。
AZ80はとにかく音がキレイで、高域の伸びと音場の広さはハイエンドイヤホンの中でも頭一つ抜けていると個人的に思っていたので、それ以上の進化に期待大です。

AZ100は更なる高音質を追求し、テクニクスの高級有線イヤホン「EAH-TZ700」で採用している「磁性流体ドライバー」をワイヤレスイヤホンで初搭載
※2025年1月現在。パナソニック株式会社調べ
「磁性流体」は磁石に吸い寄せられる性質を持った液体で、これをボイスコイル部に充填することで、振動板と一体になったボイスコイルの動きがダンパーのように一定かつ滑らかになります。
より正確なストローク動作によって全帯域で歪みの少ない音楽再生を可能にし「原曲の空気感そのものの再現を目指した」とのことです。

他にも「薄型エッジ」や、ドライバーの空気を精密にコントロールする「アコースティックコントロールチャンバー」など、EAH-TZ700の技術が多く盛り込まれています。
後で詳しくレビューしますが、クセが少ないAZ80がパワフル系の音に感じるくらい、AZ100は自然で生々しい音になっていました。
味付けの薄い原音そのままをキレイに鳴らす音作りは、音楽ジャンルを選ばず、多くの方が「聴きやすい音」と感じるでしょう。

ヘアライン仕上げの高級感あふれるデザイン

  • 角度によって変わる光の反射がキレイ
    角度によって変わる光の反射がキレイ
  • ノズル付近の出っ張りは健在
    ノズル付近の出っ張りは健在
  • より小型・軽量になりました
    より小型・軽量になりました

カラーバリエーションは、シルバーとブラック。
シリーズお馴染みの、フェイス部に細かい線状のヘアライン加工を施した美しいデザインです。

サイズはAZ80からひと回り小さくなり、片方の重さは6gを切りました
正面から見ると引っかかりのない円形デザインですが、耳のくぼみにフィットするノズル付近の出っ張り(コンチャフィット形状)は健在です。

充電ケース

  • 細長い充電ケース
    細長い充電ケース
  • ケースもヘアライン仕上げ
    ケースもヘアライン仕上げ
  • 本体の半分ほどが飛び出している
    本体の半分ほどが飛び出している
  • 再生時間は「AZ80」から約3時間増
    再生時間は「AZ80」から約3時間増

充電ケースもAZ80のデザインを継承し、サイズはひと回り小型化しました。
ケースは全面アルミ製のひんやりとした質感で、天面はイヤホンのフェイスと同じヘアライン仕上げと、こちらも高級感にあふれています。

連続再生時間はAZ80から約3時間増え、ノイズキャンセリング(以下:NC)機能オンでAAC接続の場合イヤホン単体で約10時間再生、高音質コーデックLDAC接続でも約7時間と、かなり頼もしくなりました。
イヤホンとケース両方がフル充電になるまでの時間は、同時充電で約3時間。
Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。

耳のくぼみにしっかりフィットする装着感

  • 装着イメージ
    装着イメージ
  • ノズル付近のボコッとした部分が耳穴近くのくぼみ(耳甲介/コンチャ)にフィットすると、頭を激しく振ってもズレない、抜群の安定感を得られます。

    耳穴全体をしっかり塞ぐイヤモニのような装着感で、イヤホンのスカスカ感がニガテ、ポロッと落ちそうになるのが心配、という方はドンピシャだと思います。
    装着後は存在感がありますが、圧迫感は控えめで、長時間でも疲れにくい着け心地でした。

音を逃しにくい専用のイヤーピース

  • ノズルの形状は楕円形
    ノズルの形状は楕円形
  • イヤーピースの中心が3層になりました
    イヤーピースの中心が3層になりました
  • イヤーピースは5サイズ付属
    イヤーピースは5サイズ付属

イヤーピースは専用のものに変わり、ノズルの形状も一般的な円形から楕円形になりました。
上の画像2枚目のように、ポートを締め付ける中心を従来の2層から3層構造に変更することで、これまで以上に細かな低域などを逃さず伝えられます。
耳に触れるアウトカバーは従来モデル同様、柔らかな質感の薄いシリコンで、着け心地に大きな変化はなさそうです。

イヤーピースは、XS/S/M/ML/Lの5サイズが付属。
ノズルの形状は変わりましたが、装着部が多少伸びる柔らかなものだと他のイヤーピースでも装着できました。
実際に試したものでは、AZ80に付属のシリコン製イヤーピースと、フォームタイプ「コンプライ」は装着可能、音導管に金属コアを内蔵した「COREIR」は奥まで入りきらなかったです。

「EAH-AZ80」と外観比較

  • ケースのカラーが少し明るくなった
    ケースのカラーが少し明るくなった
  • 本体・ケース共にひと回り小型化
    本体・ケース共にひと回り小型化
  • ノズルの形状が異なります
    ノズルの形状が異なります
  • 着け心地は断然「AZ100」の方が軽い
    着け心地は断然「AZ100」の方が軽い

カラーはAZ80と同じだと思っていましたが、ケースを並べるとAZ100の方が若干明るいライトシルバーです。
小型化したので当然ですがイヤホンの着け心地はかなり軽くなり、正面のツノのような先端がなくなったことで見た目もスッキリしました。
ノズル付近の出っ張りもAZ100の方が控えめで、耳の小さな方もフィットしやすそうです。

ノイズキャンセリングと外音取り込み機能

  • 人の声のカットが特に強力!
    人の声のカットが特に強力!
  • NCと外音取り込みのレベルは1〜100まで自由に調整可能
    NCと外音取り込みのレベルは1〜100まで自由に調整可能
周囲の環境に合わせたノイズキャンセリング

シリーズで初めて、周囲の騒音環境や装着する耳の形状に合わせて音の補正を行う「アダプティブノイズキャンセリング」を搭載しました。

AZ80と比べると低〜中域のノイズカットがより強力になっていて、車の走行音やドライヤーの音はかなり遠くに聞こえます。
人の声のカットが最も得意な印象で、ざわつきのある街中や駅でも音楽に集中できました。
ここは最強NCを謳われる某イヤホンにも負けていないのではと感じます。

音楽を停止すると風切り音やアナウンスの声、キーボードを叩く音が比較的入ってきやすく「完全な静寂」と言い切ることはできませんが、AZ80からは確実に強力になっていて、ハイエンドイヤホンに求めるNCのレベルは充分超えています。

AZ80の時に少し感じた、外音取り込みからNCに切り替えたときのボワッとしたこもりはAZ100ではほとんど感じず、より圧迫感のない自然なNCになったように思います。
NCをオンにして食事をすると響きがちな咀嚼音もかなり軽減されていて、周囲のざわつきもカットされるので、ひとりごはんがとても快適でした。

クリアに聞こえる外音取り込み機能

周囲の音を取り込む「外音取り込み機能」は、環境音をそのまま大きくクリアに聞かせる印象です。
車の走行音もそこそこ大きな音で入ってくるので最初は驚きましたが、環境音が多い中でも人の声は際立って聞こえやすかったです。
自分の話す声の聞こえ方は他のハイエンドイヤホンと比べてもトップクラスに自然で、会話がとてもスムーズでした。

新AIチップを搭載した通話性能

通話性能もパワーアップしており、ワイヤレスイヤホンで初めて送話だけでなく自分に聞こえる声(受話)のノイズもカットする新AIチップを搭載しました。
AIチップは5億件もの音声データを学習しており、にぎやかな場所で通話しても声だけがクリアに抜き出されてとても聞こえやすいです。

接続と本体操作方法

  • マルチポイント接続は3台可能
    マルチポイント接続は3台可能
  • 操作の振り分けの自由度が高い
    操作の振り分けの自由度が高い

AZ80で業界初の3台マルチポイント接続を実現し話題となりましたが、AZ100でももちろん継続。
スマホのBluetooth設定で手動切り替えをする必要はなく、着信がきたらすぐにスマホに接続し、パソコンやタブレットで動画を再生すると自動で接続端末が切り替わります。
デバイスが切り替わった時は「スマートフォンに接続」などのアナウンスがあるので、今どこに繋がっているの?と迷うことはありません。

本体のタッチ操作はアプリでカスタマイズ可能。
左右4アクションずつ、音楽コントロール機能を選んで振り分けできます。
組み合わせは1つずつ自由で、音量設定や曲変更、NCと外音取り込み機能の切り替えなど、普段よく使う操作は一通り振り分けできました。
操作一覧に「機能なし」の項目があり、何のために・・・?と思いましたが、シングルタップ操作に振り分けると誤タップがなくなることに気が付きました。
個人的に音声アシスタントはあまり使わないので、代わりに機能なしを設定してもいいかも。

【音質レビュー】AZ80と聴き比べ。より自然で聴き心地の良い高音質

  • 弦楽器とボーカルの声が特に生々しく聴こえる
    弦楽器とボーカルの声が特に生々しく聴こえる
  • イコライザーの調整バンドが8つになりました
    イコライザーの調整バンドが8つになりました

AZ80と音を聴き比べてみました。

バンドミュージックを聴くと、AZ80はドンシャリ系統ではないものの、伸びやかな高域と深い低域の差がハッキリとしていて、音もバシバシ切れて迫力満点といった印象。
そのあとすぐにAZ100を聴くと、かなりナチュラルで落ち着いた音になったと感じますが、中高域を中心に音の情報量は明らかに多く、聴き込むとここに細かな音が入っていたのかと発見があります。
特にスネアドラムやシンバルは、バシッとキレるのではなく余韻までしっかり表現されていて、曲の雰囲気が大きく変わりました。
ボーカルの声もかなり近づき、息遣いまで感じられるほどの生々しさがあります。

クラシックでは弦楽器の響きが特に鮮明で、ヴァイオリンの伸びやかな高音からコントラバスのお腹に響く深い低音まで、輪郭を逃さず追えました。
立体感と音像はどちらもハッキリしていて、AZ80はベース・ドラムの距離が近く、AZ100は楽器全体がグッと寄ってボーカルはさらに前にいるイメージです。
疾走感やリズム感が気持ちいいハデな曲調が好きならAZ80、フラット系で自然な楽器の音色とクリアな声の聴きやすい音を好むならAZ100がおすすめです。

まとめ

個人的にAZ80はクセのないストレートな音として完成度が高いと思っていて、特に高域の伸びと音場の広さは、新しいイヤホンが出る度にとりあえずここに勝てるかチェックをしています。
AZ100が「原音ありのままの再生」にこだわったと聞き、もうできてない?思ったのですが、AZ80ってもしかして低音濃いめの元気系サウンドだった・・・?と感じるくらい音がナチュラルでした。
元気を失ったわけではなく、抑えられていた細かな表現や中高域を上手く鳴らすことで、バランス寄りの聴き心地の良い音になった感じです。

マイクの性能が高く、NCと外音取り込み、通話時は機械っぽさのない自然でクリアな音で、耳あたりがとても良いです。
フィットしやすい装着感や3台同時接続できるマルチポイントもあり、音質・機能・使いやすさの全ての項目で満足度はかなり高めでした。

音楽ジャンルを選ばず、万人が「聴きやすい良い音」と感じるであろう音作りなので、音質重視でイヤホンを選びたい方は、まず候補に入れてOKですよ!
そこそこいいイヤホンを使っている弊社スタッフも「控えめに言って最高」と購入に踏みこむ様子をみせていました。2025.01.08 (もあ)

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