2025.04.05
Joshin 試用レポート
ゲームも日常使いも大満足なハイスペックスマホ ASUS『ROG Phone 9』シリーズをレビュー!



ASUS SIMフリースマホ ROG Phone 9
ASUSより、現行最高峰(2025年4月時点)のSoCを搭載したゲーミングスマホ『ROG Phone 9』シリーズが登場。
圧倒的ハイスペックであらゆるゲームを快適にプレイできるのはもちろん、高性能カメラ・おサイフケータイ・高い防水/防塵性能などを搭載し、日常使いにも妥協がない。
最新のスペックが盛り込まれた、一般のスマホでは得られないゲーム体験が楽しすぎる「超高性能スマホ」をレビューしていこう。 ライター:もあ
ASUS SIMフリースマホ『ROG Phone 9 / ROG Phone 9 Pro』
ROG Phone 9
ASUSの「ROG Phoneシリーズ」は、あらゆるスマホゲームを快適にプレイできるハイスペックを搭載したゲーミングスマホ。
前シリーズ(ROG Phone 8)では、おサイフケータイ対応・高い防水/防塵性能・高性能カメラなど、一般的なハイエンドスマホと同じ便利な機能を初搭載し「メインで使えるゲーミングスマホ」として注目を浴びた。
新モデル『ROG Phone 9』でもそのコンセプトは引き継がれ、便利な機能はそのままに「AI通話翻訳」や書類の歪みを正して撮影する「ドキュメントキャプチャー」などのAI機能が追加。
性能面は現行スマホでトップクラスで、最新のSoC「Snapdragon 8 Elite」を搭載、リフレッシュレートは最大185Hz、バッテリー容量は5,800mAhと、プレイできないゲームはないと言い切れる。
今回お借りした通常モデル『ROG Phone 9』と上位モデル『ROG Phone 9 Pro』は、基本性能や6.78型のサイズは共通。
背面パネルのデザインとLEDライト、メモリ/ストレージ容量、一部のカメラレンズだけが異なる。
特に差別化されているのはカメラで、Proモデルは広角・超広角・望遠の3眼、通常モデルは望遠の代わりにマクロカメラだ。
「ROG Phone 8」が望遠を搭載していたこともあり、ここは共通にしてほしかった。
外観とスペック
ROG Phone 9 Pro | ROG Phone 9 | ||
---|---|---|---|
OS | Android 15 (ROG UI) | ||
SoC | Qualcomm® Snapdragon®8 Elite (オクタコア) | ||
メモリ/ストレージ | 16GB / 512GB |
12GB / 256GB |
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ディスプレイ | 6.78型 LTPO AMOLEDディスプレイ、 2,400×1,080ドット (フルHD+) |
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リフレッシュレート | 最大185Hz (可変リフレッシュレート1〜120Hz対応) | ||
インターフェース | ・充電端子 USB Type-C(本体下部・左側面に配置) ・nanoSIM×2+eSIM×1 ※ DSDV対応 ・イヤホンジャック |
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本体サイズ(約) | 高さ163.8 × 幅77 × 奥行き8.9mm |
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質量(約) | 227g | ||
生体認証 | ディスプレイ指紋認証/顔認証 | ||
バッテリー容量 | 5,800mAh (急速充電(65W)/ワイヤレス充電(15W)に対応) | ||
バッテリー充電時間(約) | 46分(※付属の充電器を使った場合) | ||
サウンド | デュアルステレオスピーカー ※「オーディオリダクション」機能による、疑似デュアルフロントステレオスピーカーに対応 |
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アウトカメラ | 広角 | 有効画素数 約5,000万画素(35mm換算:23.8mm相当/F値1.9) 手振れ補正:6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー4.0(±5度のブレ補正) |
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超広角 | 有効画素数 約1,300万画素 (35mm換算:12.7mm相当/F値2.2) | ||
望遠 | 有効画素数 約3,200万画素 (35mm換算:65.3mm相当/F値2.4) |
- | |
マクロ | - | 有効画素数 約500万画素 |
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インカメラ | 有効画素数 約3,200万画素 (35mm換算:22mm相当/F値2.05) |
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防水/防塵 | 〇(IP65/IP68) IP65:粉塵が中に入らず、あらゆる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響がない IP68:粉塵が中に入らず、継続的に水没しても内部に浸水することがない |
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おサイフケータイ | 〇(FeliCa) | ||
外部ストレージ | - |
外観は「ROG Phone 8」の、いい意味でゲーミングらしくないシンプルなデザインを踏襲。
最新の性能+バッテリー容量も増加したのに(ROG Phone 8は5,500mAh)、重量が2gほど増加しただけでサイズは同じだ。
ディスプレイは最大輝度2,500nitと非常に明るく、高コントラストの引き締まった色で見る映像は非常に迫力がある。
インターフェイスも変わらず、2か所の充電端子とイヤホンジャックが健在。
カメラ周りは厚みがあり、付属のケースを装着しても平置きすると浮いて斜めになる。
おサイフケータイの検出エリアはカメラの下部辺りだ。
そして今作はついにデジタルSIM「eSIM」に対応した。
カード差し替え不要で新機種にデータの書き換えが行え、物理SIMカードとの併用で仕事/プライベート用など複数回線の契約もできる。
海外で使いやすくなったのも嬉しい。
両モデル最高峰のSoCを搭載
Pro/通常モデルどちらもOS「Android 15」をベースに、現在のスマホ用SoCで最高峰かつ最新の「Snapdragon 8 Elite」を搭載。
グラフィックゲームを高パフォーマンスでサクサクプレイでき、言わずもがなWebページやSNSの閲覧、動画視聴などの動作は快適だ。
メモリとストレージ容量は2機種で異なるが、極端にダウンロードデータが多い場合でないと目に見える違いはないだろう。
本格ゲームを中心に長年使いたいと考えるならProモデルの方が安心できる。
[ROG Phone 9 Pro] 背面のライトでクラシックゲームをプレイ
ROG Phoneシリーズは背面パネルが光ることでお馴染み。
Proモデルには648個のミニLEDが搭載され、時刻やバッテリー残量を知らせるアニメーションが背面パネルの半分弱くらいの大きさで表示される。
さらにアプリ「AniMe Play」より4つのクラシックゲームが、背面パネル+AirTriggerの操作で遊べる。
息抜きにちょうどいいと思いきやスコアランキング要素もあり、ついのめり込んでしまった。
筆者はそこにこだわるの!?というロマン要素が大好きなので、これはProモデルを選びたくなる。
最新技術が盛り込まれたハイスペックスマホで昔懐かしのレトロゲームを遊ぶギャップも面白い。
[ROG Phone 9] 背面のミニLEDでアニメーション表示
通常モデルは85個のミニLEDを搭載している。
Proモデルより表示は小さく背面パネルでクラシックゲームもできないが、時刻やバッテリー残量が確認できるのは嬉しい。
過去モデルからグラデーションにピカピカ光る背面のロゴマークを見てきたので、こんなにシンプルなって・・・(寂)という気分だが、控えめなライティングは日常には間違いなく溶け込む。
5,800mAhの大容量バッテリー
充電端子は、 底面と電源ボタンとは反対の側面に搭載。
上の画像の通り、充電したままゲームする際に手にケーブルがあたらないのだ。
この家庭用ゲーム機のようなスタイルは、充電をしている感覚がなくゲームに集中でき(発熱はある)、ケーブルや接続部も摩耗しない。
充電したままの操作でバッテリーへの劣化が気になる場合は、設定で「バイパス充電」を選択すれば、バッテリーを介さずスマホ本体に電力が供給される。
底面の端子が中央ではなく左寄りなのも操作中ケーブルがあたりにくく快適だが、端子を差してスマホに接続するタイプの外部コントローラーは使えないので注意。
外付けコントローラーは、同メーカーの「ROG TESSEN」一択だ。
バッテリーは5,800mAhと大容量で、付属のACアダプターとケーブルを使い65Wの急速充電、ワイヤレス充電にも対応している。
急速充電の場合、約46分で満充電になり、約10分の充電では75%→92%まで回復した※。
※使用環境によって異なります
高パフォーマンス設定(Xモード)でゲームをすると充電は1時間で15%ほど減少したので、長時間プレイは充電しながらになるだろう。
より快適さを求めるなら、本体の発熱対策に別売の外付け冷却ファン「AeroActive Cooler X Pro」を用意したい。
あらゆるゲームを快適にプレイ
常設アプリ「Armoury Crate」では、パフォーマンスの切り替え、AirTriggerの設定、各ゲームのプレイ時間などの情報やスクリーンショットの閲覧などが行える。
初期は一般使用に適したダイナミックモードに設定されているので、ゲームプレイ時にはハイパフォーマンスな「Xモード」に変更しよう。
Xモードだと充電の減りは早いが、グラフィックゲームが滑らかに動いて没入感がスゴイ。
本格ゲームはもちろん、軽いパズルゲームでも動きがサクサクになるのがわかるし、某アイドルゲームの3Dライブシーンは残像感が全くなくて感動した。
他にもディスプレイに埋め込まれたインカメラを避ける表示エリア設定や、ライブ配信の設定や着信・通知のコントロールなどができるサポートアプリ「Game Genie」など、ゲームを快適にする機能が充実している。
超音波タッチセンサー「AirTrigger」
超音波タッチセンサー「AirTrigger」は、画面タッチの操作を割り当てて家庭用ゲーム機の「L/Rボタン」のように使える。
シューティングゲームの攻撃などの動作、レースゲームの左右移動ボタンなどを割り当てると、ほとんどコントローラーで操作性が劇的に変わった。
ゲーム機らしい直感的な操作は、画面タッチよりも夢中で遊べて大満足だ。
AirTriggerは、カメラやおサイフケータイアプリを即座に開いたりと、ゲーム中以外でも活躍する。
純正ケースを装着でデュアルフロントスピーカーのような音響を実現
今作は「オーディオリダイレクト機能」を搭載しており、純正ケース(付属のクリアケースや別売の「ROG Chill Case」)を装着して設定より機能をオンにした際、スマホの正面から音が鳴っているように聴こえる。
臨場感と迫力のある音声はスッと耳に届く、ゲームや映画に最適なサウンドだ(音は下の動画1:55〜確認できます)。
付属のケースとは別に、純正ケース「ROG Chill Case(上の画像3枚目)」も発売。
クリアケースではないため装着時に背面のLEDは見えなくなるが、効果的に熱を拡散する液冷システムが搭載されている。
高パフォーマンス時には約17%温度を下げられるとのことで、冷却ファンと組み合わせて使えば更なる発熱防止も期待できる。
進化したAI機能
最近発売のハイエンドスマホによくある、様々な「AI機能」も搭載している。
今作で初搭載となった「AI文字起こし」と「ドキュメントキャプチャー」を試してみると、文字起こしは上の画像のように間違いが「〇高度、×コード」くらいで正確性は高め。
ドキュメントキャプチャーは、斜めのディスプレイに写った文字が正面に補正され、細かい文字も潰れずに読める状態だった。
ゲームで使えるAI機能は、キャプチャー画面全てのテキストの翻訳が可能、単語を囲って個別で検索もできる。
カメラでのAI機能は、背景にぼかし効果をかける「AI流し撮り」や「ポートレート動画」が搭載された。
手ぶれ補正がより強力になった高性能カメラ
メインの広角カメラには6軸のジンバルモジュールを搭載。
手ぶれ補正は前シリーズの3度から5度にパワーアップし、歩き撮りすると若干の縦揺れはあるもののガタガタとした酔いそうな揺れはない。
個人的にはジンバルなしで大丈夫なくらい補正が強いと感じる。
カメラレンズは、Proモデルが広角(メイン)/超広角/望遠、通常モデルが広角(メイン)/超広角/マクロカメラのそれぞれ3眼構成。
どのシーンも実物より色濃くパキッと写ることが多いが、白飛びや黒つぶれは抑えられて自然で明るい雰囲気だ。
超広角カメラでも歪みは気にならず、Proモデルの望遠(3倍ズーム)は細部まで鮮明でノイズや色ブレのないキレイな仕上がりだった。
デジタルズーム域7倍付近からはボヤボヤし始めるので、カメラ機能に特化したスマホまでの解像度はなさそうだが、一般的なハイエンドスマホのカメラとしては申し分ない。
まとめ
ゲーミングスマホはハイクオリティな最新ゲームを快適に遊べることが大前提なので、かなりスペックが高い。
必然的に高価になり、ゲーム専用のサブ機にするには多くの方がハードルが高いと感じるだろう。
『ROG Phone 9』は高性能カメラ・おサイフケータイ・高い防水/防塵性能など日常使いで便利な要素を兼ね備えた、ゲーム専用ではなく「ゲームも楽しめるスマホ」だ。
従来シリーズから全く別物になった前モデル「ROG Phone 8」が完成されすぎていて、大きな変化はないように見えるが、中身は最新性能にアップデートされ、AI機能も追加している。
ただメモリ容量や望遠カメラの有無など、Proモデルと通常モデルの差は前モデルより大きいので、自身の用途に合わせてチェックしてほしい。
本格ゲーム、WebページやSNSの閲覧、動画視聴、動画/写真撮影など全ての動作がサクサクで、とにかくストレスフリーで使えた。
スペック重視のスマホゲーマーに全力でおすすめする。2025.04.05 (もあ)