初回生産限定盤/UHQCD
1970年のベートーヴェン生誕200年を記念して企画されたベートーヴェン全集での夢の組み合わせ。当時50代半ばで絶頂期にあったメニューインと老境の芸風にさしかかったケンプが、互いのベートーヴェンに対する情熱を結晶化させた極め付の一枚です。ここでふたりは普段ではあまり聴けないほどの昂揚感をもって音楽に対峙しており、実に説得力の強い演奏となっています。そして、そのようななかで自らの音楽を見失うことなく、過剰な表現に陥らず、常に自然でありのままの音楽を目指し、並みの演奏家では到底辿り着けない音楽の高みに達しているのは、彼らが互いに希代の名匠同士であったからにほかなりません。まさに、20世紀のかけがえのない財産といえましょう。 (C)RS