初回生産限定盤/UHQCD
ケンプを語るときベートーヴェン抜きには出来ないでしょう。戦後、バックハウスとともに偉大なる「ベートーヴェン弾き」として世界に冠たる地位を築いたケンプ。しかし、互いの演奏スタイルは全く対照的といってもいいものでした。自らの表現に厳しく妥協を許さず孤高なまでに精神性を貫いたバックハウスに対し、人間味溢れる温かな眼差しで深く精神を見つめ続けたケンプ。神への敬虔な祈りにも似たそのベートーヴェンは、今のピアニストには求め得ないものであり、聴き終えた後の深い感動はケンプの世界ならではといえるでしょう。 (C)RS