20世紀後半のバロック・ブームの一翼を担ったフランスの名指揮者ジャン=フランソワ・パイヤール。「アルビノーニのアダージョ」、「パッヘルベルのカノン」の2大名曲で始まるバロック時代の名曲集はパイヤールの十八番で、誰もが知っているそれらの名曲を優美さと幸福感をたたえたアプローチで演奏しており、溌溂としたリズム感も作品の魅力を際立たせています。ソロにはやはりフランスの名手だったラルデやピエルロも参加。丸みのついた高い天井を備えた教会で収録された潤い豊かな響きもすばらしく、まさに演奏・選曲・録音の3拍子が揃った名盤といえましょう。 (C)RS