Blu-spec CD2
小澤征爾初のフォーレのレクイエム。小澤は、師匠シャルル・ミンシュの薫陶によって身に着けたフランス音楽への深い造詣と、桐朋時代に自ら合唱団を組織して歌った経験とによって、ベルリオーズやプーランクなど、フランスの作曲家の合唱付き作品では絶対的な評価を得ている。フォーレの「レクイエム」も昔から得意としている作品で、ボストン交響楽団のシルクを思わせるような上品な響きと、タングルウッド音楽祭合唱団の隅々まで訓練された美しいハーモニーによって、死を怖れるのではなく、むしろ死とその後の世界への甘美な憧れをさえ感じさせる異色作の魅力を余すところなく伝える。バーバラ・ボニーとホーカン・ハーゲゴールのソリスト2人の充実ぶりも、聴きどころである。余白にはピアノ伴奏による歌曲を収録。 (C)RS