Blu-spec CD2
ヴァント最晩年のベルリン・フィルとのライヴ。ブルックナーの交響曲というと、重厚で厳しい響きを天空に向けて積み上げるがごとき演奏を想像しがち。しかし彼は、楽器間の対比やしなやかな旋律の歌わせ方を通して、むしろ空間の奥行きを丹念に刻み込んでいくのです。抒情やロマンを過度にくゆらせるでなく、全編にわたってクールなまなざしを保持しながら、明澄な響きの向こうに、どこまでも広がりゆく世界を創出しています。
録音年:1999年11月19日〜21日/収録場所:ベルリン、フィルハーモニー
・『ベスト・クラシック 100』シリーズ