デンマークを代表するロック・バンド　カシミールの新作
デンマークのロック・バンドといえば、Mew、ディジー・ミズ・リジィー等にも象徴されるように実験性やクリエイティヴィティと共に美しい叙情性が同居するサウンドが印象的だが、９０年代に結成されもはやベテランとなったカシミールも、そんなデンマークのロック・シーンで一翼を担う大きな存在だ。バンド名の由来はレッド・ツェッペリンの曲から。デビュー作『TRAVELOGUE』を発表した94年以来、“デンマークのグラミー賞”と言われるDanish Music Awardsでの受賞歴多数、チャート１位の常連というまさに国民的バンドだ。もともとアート・スクールの同級生同志で結成されスタイリッシュなイメージも強い。２００６年のアルバム『No Balance Palace』はトニー・ヴィスコンティによるプロデュース、デヴィッド・ボウイ、ルー・リードがゲストとして参加という豪華な内容で、このアルバムは世界的に彼等を知らしめる名盤となった。今作は2010年の『Trespassers』以来３年振りとなるオリジナル・アルバム。20余年のキャリアを誇るカシミールの今が伺える。