QRDシステムは、建築音響学へ画期的なアプローチを追求しています。これまでの音響材が音の吸収に注目していたのに対し、 QRDは拡散・吸音・反射という三つの基本的な設計要素をバランスよく組み合わせ、最も効果的なアコースティカルデザインを提供します
 1983年にRPG社はリフレクション・フェーズ・グレーティング(RPG)を初めて製品化。
これはくもりガラスが光を吸収ではなく拡散させる原理と同様に、音を吸収するのではなく、すべての角度から入射する音を均質に様々な方向へと拡散させるもので、 建築音響にとって画期的なものとなりました。RPGはコンピューターによって設計された等幅かつ深さの異なる溝(1D)あるいは格子(2D)の周期的なモジュールです。 これらの溝、格子は薄い仕切りで分けられていて、この深さは整数理論(Quadratic residue number theory sequence)に基づいているので、RPGはQRDと呼ばれています。
QRDの発表以降、RPG社は音響関連の新製品を次々と生み出し、業界のイノベーターとしての地位を確実なものにしてきました。
今日のRPG社の製品は、拡散、吸収、その他多岐にわたっており、またノイズコントロールだけでなく音の芸術的な美しさを追求できる製品です。

★★担当者から一言★★

音響コントロールのパネル類は各社から発売されていますが、リスニングルームを総合的にコントロールするためのシステムを完璧に構築できる メーカーはQRDだけではないでしょうか!!音響の専門家にオーディオ(シアター)ルームの設計を依頼すると膨大な費用と手間がかかりますが、防音さえしっかりと出来ていれば、QRDを使った音響コントロールは、 段階的なシステム構築も出来ますし、最終的にはコスト的にも音響効果的にも優れた部屋を造り上げる事が出来ると思います。
もちろん今使っている部屋を本格的な音響ルームに仕上げることも出来ます。 部屋の音響的なグレイドアップによって愛用の機器の本来の性能をフルに発揮させてあげましょう!!                                 
--ichinose--
ディフューザー ディフラクタル
ディフューザーはQRDの製品の中でも、最もポピュラーで用途の広い 製品です。広い周波数域、低価格、フィニッシングの選択幅の広さによって、学校、レコーディングスタジオ、教会、講堂、劇場、コンサートホールなど様々な場所で使用されています。この1次元方式ディフューザーは、 コンピューターで設計されたフェーズグレーティングで、入射音の反応は半円状の全方向に均質に拡散されます。RPG気圧勾配メカニズムにより、設計上の周波数域よりも低い周波数を吸収することも可能です。

ディフラクタルでは、一つのディフューザーで、フルスペクトル音の 拡散が可能。ここにはフラクタルの相似形の要素と、正数理論による均一な拡散の要素とが結合。この拡散フラクタクルは特許取得。フラクタル表面はQRDの相似形が異なる高さで入れ子になった構造をしており、 幅広い周波数域に有効。周期性によるLobing効果は、正数理論のQRDを調整する振幅によって最小限におさえられ、振幅変調は、また周期性によるパフォーマンスのロスなく、広域をカバー。モジュールの構築によって、 速く容易な設置が可能。
カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)
扱いやすい厚み100mm 低域拡散に優れた230mm 扱いやすい厚み100mm 低域拡散に優れた230mm
600x600x100mm 600x600x230mm 600x600x100mm 600x600x230mm
1200x600x100mm 1200x600x230mm 1200x600x100mm 1200x600x230mm
1800x600x100mm 1800x600x230mm 1800x600x100mm 1200x600x230mm


デュフュザーベース ディフラクタルベース


ディフュザーを持ち上げるためのベース。

性能はディフュザーと同じ、天面にジョイント用の穴が開いている


ディフラクタルを持ち上げるためのベース。

性能はディフラクタルと同じ、天面にジョイント用の穴が開いている
カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)
扱いやすい厚み100mm 低域拡散に優れた230mm 扱いやすい厚み100mm 低域拡散に優れた230mm
600x600x100mm 600x600x230mm 600x600x100mm 600x600x230mm
600x1200x100mm 600x1200x230mm 600x1200x100mm 600x1200x230mm


アブフューザー フラッター フリー (パネル)

アブフューザーは業界初の吸音フェーズ・グレーティング。RPGの反射溝の深さとアブフューザーの吸収溝の深さはどちらも正数理論に基づいて設計。2つの吸収メカニズムを用いているため、吸収の効果はこれま でのフラットな多孔性の吸収材を超える優れた性能を発揮。従来の、多孔性の孔での摩擦による音エネルギーの熱発散の方法と、溝の圧力差によって溝の仕切りの間に高粒子速度流すという方法(圧力勾配メカニズム) の相乗効果により、さらに低い周波域の吸収を実現。

平行な壁の間で反復して反射するフラッターエコーへの対処法は、 かつては布で包んだパネルで吸収させるというものでした。しかしこの方法には同時に「デッドスペース」を生んでしまうという副作用がありました。
フラッターフリーは、フラッターエコーをコントロールしさらに バスを吸収する、家具のように美しいハードウッド材の製品。平行壁面を持つ小さな部屋も、フラッターフリーによって正確な会話音、良い音質、自然で快適な環境といった、機能的なスペースへと変身します

カラー:難燃材最高級の布地 (全5色)カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)
扱いやすい厚み100mmのみスペースを取らない厚み30mm、50mm
600x600x100mm1200x294x30mm
1200x600x100mm1200x1200x50mm
1800x600x100mm1800x1200x50mm


スカイライン オムニフューザー

小さな部屋において、吸収ではなく拡散を利用して反射を コントロールしながらアンビエントなサウンドフィールドをつくりたいと思われる方 が多いのではないでしょうか。部屋の壁がリスナーに近い場合、非常に効率的な拡散材が必要となりますが、それを可能にしたのが、 RPGのスカイラインです。これは業界初の、根数理論に基づいた全方向2次元デ ィフューザー。全ての方向の目立つ音を小さくし、入射音を均一に拡散させます。(特許取得済)

半球状に音を180度にわたって均一拡散する64個の同一面積、 異なる深さのセルを装備した木製3次元拡散パネルで、天井に、または壁面に使用します。通常の2次元拡散パネル「ディフューザー」と比較すると、反射音の希薄化が半減するので、高音減衰と全方向への拡散が必要と される場所に集中して使用すると有効。そのままでも、ディフューザー、ディフラクタルと併せて使用し、効果を上げられます

カラー:ペイント (全8色)カラー:未塗装、ペイント7色 (全8色)
600x600x110mm600x600x100mm


BAD(バッド)オールマイティー壁掛けハイブリット拡散パネル BAD FLOOR(バッドフロア)床用ハイブリット拡散パネル
壁などに簡単に取り付けられ、本格的に音響処理が可能な ハイブリット拡散パネル。音の拡散処理をメインに行いアブフューザー同様バランス良く100Hz以上の周波数帯域に於いて約80%均等吸音が可能。アメリカ本国のライセンスを取得し性能はそのままに国産化することにより クオリティー・使いやすさを充実。オーディオルームの壁などにお好みの絵画を飾る感覚で本格的な音響処理が可能。付属の取り付け金具付きで一般のご家庭の壁(プラスターボードなど)に簡単に取り付け可能 天井同様に音響処理が難しい床面ですが、音響的には非常に 効果的なのが床面です。その床専用に開発された拡散ペネルで、考え方は床も吸音ではなく拡散をメインとしています。限られたスペースの中で圧倒的な効果が得られるハイブリット拡散フロアーパネルとして設計。 こちらもアメリカ本国のライセンスを取得し性能はそのままに国産にて製造されております。設置は置くだけの最も簡単な方法で効果的な吸音拡散が実現します。
スタンダードカラー8色、エクストラカラー 7色 (全15色)スタンダードカラー (全8色)
600x600x36mm680x680x36mm

各製品のカラーバリエーション

デュフュザー、デフラクタル、ベース、フラッターフリー、オムニフューザー各種のウッド製品


 アブフュザー
スカイライン


 バッド、バッドフロア(スタンダードカラー)
バッド(エクストラカラー)

QDRの取付方法
QRDのパネルは1200x600x100mmのタイプで重量10kg前後となります。木製の本格パネルとしては軽量設計ですが、グラスウールを使った製品と比べると重量があります。
床に置く場合は一応自立 しますが、決して安定しているとは言えませんので、オプションの転倒防止脚を取り付けて部屋の壁面に沿わせて置くのが良いでしょう。(転倒防止脚は前面には倒れませんが後方には倒れますのでご注意ください)
置き場所が決まっている場合(調整後)は壁にネジ止め(木ネジ、アンカーボルト等)してしまってもかまいませんし、その方が地震などがあった場合には安心ですね。
転倒防止用脚
ウッド製
カラー:未塗装、ペイント7色
サイズ:100mm、230mm
転倒防止用脚
スチール製
カラー:シルバー、ブラック艶消し
サイズ:100mm、230mm

QRD設置例

実際にQRDを使用して理想的なリスニングルームに仕上げるための応用ステップ編です。

QRDは設置が簡単なため、段階的にグレイドアップをすることが出来ます。部屋の状況や予算に合わせて ステップアップさせることで音質の改善を図る事が出来ます。

1st stepから明らかな改善が期待できるので、改善状況を確認しながら徐々に数を増やして行くのが賢い導入方法だと思います。
部屋のグレイドアップによって愛用の機器の本来の性能をフルに発揮させてあげましょう!

1st step
第一段階として、スピーカーの後方(リスナーの正面)に「ディフューザー」または「ディフラクタル」を、さらにご予算やお部屋の特性に応じてその両端に「アブフューザー」 を設置します。これによって前壁面からのフラッターを取り除き、快適な拡散面を作ります。これで定位、ステージ感が大きく改善され、サウンドステージが目の前に見えだします。「QRDベース」を用いて、高さ180cmまで持ち 上げて使用するとさらに効果的です。
★ディフューザーかディフラクタル(600x1200x100mm)を1枚〜2枚導入!スピーカーの真後ろから中央寄りに設置します。2枚導入後まだスペースがあればその 両端にアブフューザー(600x1200x100mm)を1枚づつ導入するのも効果的ですがアブフューザーはパスして次の段階に進んでも良いと思います。
★取付は壁に直付(木ネジ、アンカーボルト等)するか、専用の転倒防止脚で 床置きしてください(直付する場合は設置場所を色々試してじっくりと調整してからにしましょう)

2nd step
第二段階では側面からの一次反射を防ぎます。これには「アブフューザー」が効果的。鏡を側面に置き、リスナーのポジションからスピーカーユニットが映るところ が一次反射面といえます。 この一次反射面に「アブフューザー」を設置しスピーカーからの一次反射を効果的に処理することができます。これでさらに定位がピシッと決まりスピーカーやアンプなど、機器 の特質が鮮明に現れてきます。さらに「QRDベース」 を使用しアブフューザーを持ち上げると、高位置の壁面部をカバーすることができます。
★側面の一時反射の拡散は第一段階と同等の効果を発揮するでしょう!この段階で床に「BADフロア」、 天井に「スカイライン」の導入を試みるのも大きな効果が期待できます。
3rd step
第三段階は後壁面の処理です。ここに「ディフューザー」または「ディフラクタル」を設置することにより、リスナーの後方に音のエネルギーが残り、しかも有害な反射がない状態となり、 心地よい部屋が完成します。話し声も適度な響きと素直さを兼ね備え、とても気持ちよい響きで、会話も思わず弾みます。
★リスナーと後壁面の距離が短い場合 (1m位)の場合は「アブフューザー」 のほうが効果的です。ここでも「QRDベース」を使用して高位置の壁面部をカバーするとより効果的。
Final step
最後はリスナー後方壁面の処理です。フラッターエコーの処理に最適な「フラッターフリーパネル」「BAD」を使用すればリスニングルームの完成度は大きく高まります。これでもう立派なスタジオ やミキシングルームにも負けない環境が完成いたしました。リスナーの感性とQRD製品の特徴に基づいた使用法のこつさえわかれば、あとはいろいろ組み合わせを試し最高のリスニングルームを仕上げることができます。