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音場工房

[ 2025年 5月 13日付 ]



真空管の最高峰! ウエスタンエレクトリック「WE300B」をご紹介!!

ハイエンドオーディオのichinoseです。

憧れの真空管として、揺るぎない人気の真空管として君臨しているのが、ウエスタンエレクトリックの「WE300B」ですね。

300B真空管は実に多くのブランドから発売されてきましたが、最終的に行き着く所はやはり「WE」となりますかね?



◆ウエスタンエレクトリック「WE300B」の歴史

ウエスタンエレクトリック社は今から156年前の1869年に設立。1881年からはアメリカの電話会社AT&Tの機器製造部門を担っていたブランドです。

劇場用拡声器に向け、大出力真空管として開発された直熱三極管「WE300A」が1938年に誕生。そして、改良版である「WE300B」が登場します。

幾度かの生産休止期間を挟みつつ製造が続けられていたが、1988年に一旦その歴史に終止符が打たれました。

ウエスタンエレクトリック社はその後、1996年にHi-Fi用真空管の製造を専業とする会社として再設立。

その後、世界の管球マニアからの300B復活を求める声に応えるかたちで、1997年にウエスタンエレクトリック300Bの生産を再開。

カンザスシティ工場の閉鎖(1961年に建築され老朽化の為)により、300Bの生産は2006年で終焉を迎えました。

しかし、ウエスタンエレクトリック社は300Bの復活を諦めることなく、新たな挑戦を継続。

遂に2018年、ジョージア州ロスヴィルに最新鋭の製造ラインを備えた新工場を建設。この近代化された生産体制により、かつてない高品質の「WE300B」を世界中に安定供給が開始されたのです。


 1938年:初代「WE300B」が誕生。

 1988年:いわゆるオリジナルの生産終了。

 1997年:待望の再生産開始。(1997〜1999年を第1期再生産期、2002〜2004年を第2期再生産)

 2006年:カンザスシティ工場閉鎖により生産終了。

 2018年:新工場を建設開始。2021年に現代版「WE300B」生産開始。


◆研ぎ澄まされ、美しく魅惑的な「300B」

「WE300B」はシンプルな構造で増幅を行う直熱三極管のなかでも、A級シングルで約8Wという大きな出力を取り出せることが特徴。

直熱三極管は、フィラメント、グリッド、プレートという増幅を行うための必要最小限の部品構造であるためか、その音も素直で透明感の高い爽やかなサウンドが最大の長所といえます。

さらに、真空管特有の艶やかさや華やかさといった倍音表現が加わり「300B」の独特な魅惑の音質が生まれています。

直熱三極管の中でも、巨大な部類に属する300Bは素直さと繊細さ、そして力強さを兼ね備えた非常にバランスの良い出力管であり、巨大なプレートを支えるガラス管の優美な形状も相まって「真空管の王様」という呼び名が定着しています。


そのサウンドは「際だった美しさ」「透明感あり」「快い音色」「甘く艶やか」「研ぎ澄まされ」「魅惑的なボーカル」などと、様々に形容される美しく魅力的なサウンドです。

音場の空気感・空間感の高い再現性、豊かなサウンドステージに静かに音像が現れ、独特の幅と深さの表現は魅力的。

世界中の真空管愛好家が生涯に一度は使ってみたいと憧れている真空管が「300B」ではないでしょうか。


◆現代版 新「WE300B」の生産に関して

現在の新「WE300B」の製造は(米国・ジョージア州)ロスビル工場で行われています。

象徴的なガラスのシーリングから複雑な冶金工程まで、何十もの細かな作業工程に対応するために、工場はオールカスタムメイドで建築されました。

また、150年の歴史を持つ企業ですが、最新工場は生産ラインの随所が近代化され、高効率化が進められています。


今回の再生産はオリジナルに忠実な復刻を実現しながらも、「現代の最新技術で再構築」された新「WE300B」となっています。

製造時期によって音質は異なりますが、新「WE300B」の音質は大変優れており、最新・最高の「WE300B」として高いクオリティを誇ります。


◆時代の変化と共に使われている素材にも変更・改良が施されています。

従来のものと大きく異なるのがプレートのコーティング素材。主に使われていたカーボンから、グラフェンが採用されており、プレート〜フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善。

プレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの原子層が結び付くことで、高い真空度を維持しています。

さらに、寿命に影響を及ぼすガスの発生を抑制、平均プレート電流も高くなり、2次電子放出による影響も大幅に減少しています。

フィラメントは、かつてのウエスタンエレクトリック社のホーソン工場に由来する、溶解物から取り出した伝統のある素材で、酸化コーティング剤は海底ケーブル伝送用に開発されたものを最先端の製造工程で施されているそうです。


RoHS指令などに基づいて、環境に配慮した素材に変更。かつて、ガラスやハンダに使われていた鉛を廃し、プレートのコーティング素材を含め、現在入手できる優れた特性を持つ素材が導入されています。

ガラス管内の真空度を高めるために、ドライスクロールポンプを用いた最新のターボ分子ポンプによって、極めて高い真空度を達成。優れた真空度の高さは新「WE300B」の大きなメリットといえるのではないでしょうか。


◆驚異の5年保証

新「WE300B」に同梱されている保証書は90日間ですが、同梱されている「延長保証登録カード」を返送し、手続きを行うことで、5年間の延長保証が適用されます。


5年の保証期間中に不良が出た場合の不良交換は、不良の真空管のみとなります。ペア、クアッドでの交換にはなりません。

もちろん、ウエスタンエレクトリック社独自のテストシステムにより、様々な特性をデータベース化。真空管を1本1本厳格に管理しており、完全にマッチングのとれた真空管が提供されます。

この保証規定は、ウエスタンエレクトリック社から品質保証の条件として全世界に対して発令されています。

※単にIP値のみ適合する真空管との交換ではありません。

※ウエスタンエレクトリック社による厳正な選定の為、時間を要する場合があります。


◆仕様


分類:電力増幅用三極管

用途:オーディオ周波数帯域用アンプ、低プレート電圧で出力10W

ベース・マウント:中型4ピンスラスト型ベース(WE社 143B・100M・115Bソケット適合)

電極間静電容量(平均値)
 グリッド-プレート間:15μf.
 グリッド-フィラメント間:9μf
 プレート-フィラメント間:4.3μf.

フィラメント定格
 フィラメント電圧:5.0V, AC or DC
 フィラメント公称電流:1.2A

平均特性 ※参考値
 (Ef = 5.0 volts, a.c., Eb = 300 volts, Ec = -61 volts)
 プレート抵抗:700Ω
 増幅率:3.85
 相互コンダクタンス:5500 micromhos

最大プレート電圧:450V

最大プレート消費:40W

最大プレート電流<固定バイアス時>:70mA

最大プレート電流<可変またはセルフバイアス時>:100mA



◆担当者より

今回ご紹介したウエスタンエレクトリック社の「WE300B」は、懐古的な単なる復刻版ではなく、現代の技術によりグレイドアップを果たした、全く新しい300Bといえる製品です。

オリジナル「WE300B」から、さらにワンランク上のステージを目指して開発された、次元の異なる完成度を誇る「WE300B」となっています。

現代の最高峰の増幅素子としての「WE300B」を実現するべく開発された、本物の「WE300B」なんです。

300Bのサウンドは、音楽を愛するすべての人々を魅了する特別な真空管で、まさに「至高」の一言に尽きます。

300Bが奏でる低音は、ただ力強いだけではなく、音楽の土台を支えるように、深く、そして豊かに響きます。

ミッドレンジは、300Bの最も得意とするところで、甘美な音色、魅惑的なボーカル、そしてあらゆる楽器が、まるで目の前に存在するかのように立体的に響き渡ります。

高音域は透明感があり、美しく、艶やか、洗練された音で、究極の魅惑サウンドと言われる所以です。

世界中の真空管愛好家が心より愛してやまない300Bの中でも、特に「ウエスタンエレクトリック300B」は唯一無二の、最も自然で優雅、そして感動的な三極管といわれています。

かなり高価な真空管となりますが、そのサウンドは投資する価値があります。

また、製品保証の5年延長には本当に驚きました。

1年ぐらいでノイズが発生したり、特性が劣化してしまう真空管もある中、品質と耐久性に絶対的な自信がある証といえます。

特に、高い真空度とその耐久性はかつて無いほどの自慢を誇っているとのことです。


※ベース部に製造年月が印刷されていて、写真の300Bは2021年の13週目に製造した製品となる。


同梱品は説明書、1本単位のシリアルナンバー入りの測定データ、保証登録カード。


※1本の場合は紙箱のみとなります。



ペア・クアッドは豪華な木箱入りとなっています。





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