[ 2025年 3月 18日付 ]
ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
今回は、ムジカノートより、スーパーツイーターの定番「S-STW01」がグレードアップして「S-STW02」として新発売されましたので、ご案内いたします。
・大好評であった前作「S-STW01」から、さらに音質を磨き上げ、スタイリングもよりシャープになりました。
・厚さ15μmのベリリウム銅合金の振動板により、高域特性が向上し、スーパーツイーターとして性能が大幅にアップしました。
・高耐久ボディに耐入力も向上し、端子の配置も使いやすくなりました。
・音楽の微妙なニュアンスを表現。再生するには再生機器の過渡特性が重要です。
・高域側の帯域を伸ばす事により、スピーカーシステムの過渡特性を向上させる事ができます。
・メインスピーカーに「S-STW02」を並列接続することで、生音に近い微妙なニュアンスや息使い、ホールの雰囲気まで感じる事ができるようになります。
◆周波数帯域〜40kHzのベリリウム銅合金ハードドームツイーターを採用。
ベリリウム銅合金は、銅に数パーセントのベリリウムを添加して作られた合金です。銅の良い性質を生かしながら、特殊鋼に匹敵する高い強度と優れたバネ性を兼ね備えた振動板です。
ベリリウム銅は耐食性と強度に優れ、高い強度や硬度、弾性限界、小さな弾性ヒステリシスなどの特性を保有しています。安定した弾性、導電性、熱伝導性、耐摩耗性、耐食性、疲労耐久性、高温または低温耐性などの優れた特性があります。
比重の軽さ(薄さと硬さを両立できる)に加えて、音の伝搬速度が速く、内部損失が高い(鳴きが少ない)点を特徴とする振動板として優れた素材です。
スーパーツイーターに採用する事により、長時間のリスニングでも耳が疲れにくく、クリアで伸びのある高音を楽しめます。
◆高剛性のエチレン系ポリマー製ボディと丁寧な仕上げ「高密度ポリエチレン(HDPE)」
「S-STW01」の木製ボディからエチレン系ポリマー製に変更されました。
高分子ポリエチレンは高剛性、耐久性、体振動性に優れた素材で、インシュレーターなどのオーディオアクセサリーにもよく使われている素材です。
よりコンパクトなサイズが可能となり、ボディ強度の向上で、入力端子も直付けとなり、使いやすくなりました。
端子はバナナプラグ対応。
※接続するスピーカーケーブルは特に指定はありません。ツイーター用として販売しているケーブルでなくても、手持ちのスピーカーケーブルで問題ありません。
◆ハイパスフィルタ用コンデンサの容量調整が容易
ネットワーク用のコンデンサーとして「0.47uF」「0.22uF」の2種類を付属。
組みあわせにより「0.69uF」「0.48uF」「0.22uF」の3種類に容量変更ができます。
標準仕様としてご購入時には「0.69uF」が取り付けられています。
あくまで基準となりますが、お使いのメインスピーカーが標準的なインピーダンス8Ω、音圧レベル86dB前後の場合は「0.68uF」のままで良いかと思います。
プラスドライバー1本でコンデンサーの変更は簡単にできます。
・「0.69uF」カットオフ周波数:29.000Hz・スロープ-6dB
・「0.48uF」カットオフ周波数:42.000Hz・スロープ-6dB
・「0.22uF」カットオフ周波数:90.000Hz・スロープ-6dB
※「S-STW02」の周波数特性は〜40KHzとなっています・・・
ユニットの高域特性より高いカットオフ周波数で良いの?と思われるかもしれませんが、コンデンサー1個の-6dBの緩いスロープ特性のため、まったく問題ありません。
お使いのスピーカーシステムの「インピーダンス」と「音圧レベル」によって最適なカットオフ周波数をお選びください。
・接続するスピーカーのインピーダンスが低い→カットオフ周波数を下げる(コンデンサー容量を大きく)。
・接続するスピーカーのインピーダンスが高い→カットオフ周波数を上げる(コンデンサー容量を小さく)。
・接続するスピーカーの音圧レベルが高い→カットオフ周波数を下げる(コンデンサー容量を大きく)。
・接続するスピーカーの音圧レベルが低い→カットオフ周波数を上げる(コンデンサー容量を小さく)。
※ただし、スーパーツイーターの場合は20kHz以上の再生のため、接続するスピーカーのインピーダンスや音圧レベルの影響は限定的となるため、あまり気にする必要は無いとの意見もあります。
※アッテネーターなどによる音量(音圧)調整もほとんどの場合必要ありません。
※当然ですが、スーパーツイーターからは全く音は聞こえませんが、通常のリスニングポイントで聞くと音場の雰囲気が、がらりと変わるので驚きですね!!
◆ハイレゾ&アナログ・・今こそReal SuperTweeter を!
CDが音楽ソフトの主役だった時代は、オーディオ機器の高域の再生周波数は上限20KHzで十分と考えられていましたが、現在のハイレゾやアナログの音源がそれ以上の高域成分を含んでおり、聴こえない領域の周波数成分の音質に与える影響の大きさが認識され、スーパーツイーターが再注目されています。
ツィーターが既に付いているスピーカーでも超高域をスーパーツイーターで増強することで全帯域での音が締まり、全体として音の情報量、ホールトーンや質感の向上が期待できます。
◆スーパーツイーターの設置に関して
ユニットの置き場所に関しては厳密に言うと位相を合わせる必要があります。
まずは、接続するスピーカーのバッフル面か、ツィーターユニットの正面位置に合わせた場所に置いて問題ありません。
スーパーツイーターは非常に高い周波数なので、波長は大変短く、30kHzで約12mm、60kHzでは約6mmとなります。正相/逆相の調整も組み合わせれば、設置位置はこの約半分の範囲となります。その範囲で前後移動させて、高域が滑らかに、音場空気感/奥行き感が感じられるポイントを見つけましょう。
1mmの前後の調整でも聴こえ方が変る事がありますが、基本は地道な調整なので長い目で取り組んでください。可能なら、ご家族友人の手を借りてツィーターの位置を動かしてもらい、自身はリスニングポジションで試聴するというスタイルが良いです。
基本的には接続するスピーカーのツイーターユニットのポイスコイルの位置に合わせるのがおすすめです。
ツイーターが搭載されているスピーカーの場合はバッフル板面に合わせる、フルレンジなどの場合は少し後ろにオフセットしてボイスコイルの位置を合わせます。
ケーブルの+−を正相/逆相で試して、好みの方を設置位置の基準としてください。
後は、微調整です。前後に少しずつ動かして最も違和感がない位置に合わせますが、焦らずに時間をかけて調整することがコツとなります。
※注意
・安価なD級アンプの場合、効果が発揮できない場合があります(20kHz以上の周波数帯域が低品質な製品が多い)。
・容量の大きなコンデンサーを接続すると低域成分が入力されて故障の可能性がありますのでご注意ください。
◆担当者より
20kHz以上の帯域を強化する「スーパーツイーター」は音質にどのような効果があるでしょうか!
その効果は、高域が改善されるのもちろんですが、意外にも低域のレスポンスが驚くほど改善します。
高域の過渡応答特性が改善された事により、聴感上ではその効果は全帯域に渡り、結果フォーカスのエッジがシャープになり、改善が難しい低域への効果も期待できます。
以前は国産製品でも「村田製作所(2001年頃)や「パイオニア(1980年頃)」などのスーパーツイーターがありましたが、全て生産完了となり、現在では海外の高価な製品しかなかったため、ムジカノートは救世主といえます。
現在では、ほとんどのスピーカーがハイレゾ対応を謳っていて、20kHz以上を再生できるスピーカーも数多く発売されておりますが、高域ユニットは中域の低い周波数の再生も担っているため、高い周波数になると正確な再生は難しくなってしまいます。
そんな時は、超高域再生専用のスーパーツイーターを追加することで、高域を補強する事ができます。
スーパーツイーターの場合は可聴帯域以上の20kHzより上の周波数を再生するため、接続するスピーカーの音圧レベルは基本的に気にする必要ありません、アッテネーターなどによる音量調整も必要ありません。
容量の小さいコンデンサーにすることで、より高域にシフトし、容量が大きくなると低域にシフトされます。
メインスピーカーのインピーダンスや能率により調整が必要な場合がありますが、これもあまり神経質になる必要はありません。
まずは標準の仕様のまま接続して様子を見ることをお勧めします。
接続ケーブルはお使いのスピーカー端子に並列に接続するだけです(アンプから直接でも可能)。
特にスーパーツイーター用として販売しているケーブルでなくても、手持ちのスピーカーケーブルでも問題ありません。
また、どちらかと言えば比較的細めのケーブルの方が高域は聴きやすくなる事が多くあります。
逆にあまり太いケーブルを接続するとメインスピーカーの逆起電力の影響を受けやすくなる可能性があります。
※品質の高いフェルトやハネナイト等の振動対策について
自己責任になりますが、音響用などの高品質な振動吸収素材をスピーカーとの間に挟むと防振効果により、高音に力強さや切れ味が改善される場合があります。