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音場工房

[ 2025年 2月 11日付 ]



クオードよりプリアンプ「QUAD33」とパワーアンプ「QUAD303」新発売!!

ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

英国オーディオの不朽の名作と言われている、60年代に誕生したQUADの名機「33プリアンプ」と「303パワーアンプ」が、57年の歳月を経て復刻。
現代の音楽ファンを喜ばせるべく、レトロ・モダンな装いで「QUAD33」「QUAD303」として蘇りました!!


QUAD社はイギリス・ケンブリッジシャーで創業。
現在に至るまで、名機と讃えられる多くのコンポーネントを音楽ファイルに届けてきた老舗ブランドです。

QUADの社名は "Quality Unit Amplifier Domestic" の頭文字をとり、創業者ピーター・ウォーカーの家庭用の高品質なアンプ・オーディオ機器を造りたいという信念から命名されています。


今回ご紹介する「QUAD33」「QUAD303」は、オリジナルモデルのデザインを彷彿とさせる待望の復刻モデルです!!

オーディオ回路は、当時の画期的であったオリジナルの設計意図に忠実であると同時に、最新のオーディオパーツや端子類を用いてアップデートされています。
さらに、注目はリーズナブルな価格設定で、このご時世でこの価格設定は正直驚きました!!






◆まずは、1967年のオリジナルモデルを簡単にご紹介いたします。

オリジナルの発売は1967年で、今から約58年前に遡ります。
中古市場では今でも人気があるようですが、さすがに50年経過していると部品が交換されているので、オリジナルの音質をキープ出来ている製品はありませんね。


◆33プリアンプ(1967年発売)

高級感はありませんが、英国を代表する秀逸なデザインといえる製品でした。
英国製ならではのチープながら、愛着のわく製品で、車に例えると「ローバー・ミニ」というところでしょうか。



接続端子は専用のDIN端子。
英国製のスピーカーとの相性は抜群で、派手さはないが品のある素直で心地よいバランスサウンドを聞かせてくれていました。

フォノ入力は1系統でしたが、後部のフォノボードを回転して差し替えることで、カートリッジに適応した特性を選ぶ、画期的な構造も採用されていました。

コンパクトなサイズながら、トーンコントロールを搭載しており、好みの音色バランスで聞くことも出来ました。

「QUAD33」の優れたデザインは、ニューヨーク近代美術館に展示されるなど、確固たる地位を確立しました。

・外形寸法:幅260x高さ83x奥行165mm
・重量:3.0kg


◆303パワーアンプ(1967年発売)

横幅120mmのコンパクトな筐体ながら、トランジスタ・アンプ設計におけるブレークスルーである「トリプル出力段」回路を搭載。
フロントパネルはヒートシンクのシンプルなデザイン、リアパネルは粋なレトロデザインで魅力的でした。

入力端子は専用のDIN端子、スピーカー端子はバナナ端子専用設計。

家庭用として中型のスピーカー使用を目的として発売されましたが、優れた性能と信頼性により、世界中のレコーディングスタジオなどPRO現場でも使用されていました。



・実効出力:45W+45W(8Ω)
・外形寸法:幅120x高さ159x奥行324mm
・重量:8.2kg


◆その後も「QUADブランド」では...

プリアンプでは「QUAD-33-2」や「QUAD-44」(1980年代)、「QUAD-66」(1990年代)など。

パワーアンプでは「QUAD-405」(1980年代)、「QUAD-606」(1990年代)などの人気商品を発売していました。


◆では、新製品の「QUAD33」「QUAD303」をご紹介いたします。



このたびの「QUAD」プロジェクトのメンバーは「Rob Flain」と「Paul McConville」(世界で最も経験豊富なQUADエンジニア)、「Jan Ertner」(QUADの設計技師で30年の経験)、「Peter Comeau」(QUADの最も成功したスピーカーを手がけた音響ディレクター)、「David McNeill」(20年にわたるQUADの革新を担った工業デザイナー)のドリームチームが、この愛情のこもったプロジェクトに参加し、「QUAD33」と「QUAD303」の名を冠する製品を求める声に、一切の妥協をせずに取り組みました。

外観デザインは「QUAD」の実用的&シンプルな伝統を継承することにこだわって設計。
豊富な情報表示が可能なバックライト付きディスプレイ、繊細なLED照明、リモートコントロール機能などの最新機能を違和感なく実装。
オリジナルモデルと同様に、全体的な外観は間違いなく「QUAD」製品ですが、プレミアムな機械加工およびアルマイト処理のフロント・パネルとオールメタル・シャーシを備えた現代的シャーシが採用されています。


◆新しいプリアンプ「QUAD33」




最新のコンピューターシミュレーションで解析したコントロール機能として、バス・チルト・バランス機能が搭載されています。
チルト・コントロールは周波数スペクトラムの両端を同時に調整し、低音を減衰させて高音を持ち上げるか、低音を持ち上げて高音を減衰させる方法です。
可聴周波数帯域を回転(傾斜)させることで音量を変えたり、または音に色を加えたりすることなく、サウンド全体のバランスを調整することが出来る機能です。

バス・バランスコントロールに加え、最新のチルトコントロールを搭載することにより、レコードからハイレゾ・デジタルファイルに至るまで、今日私たちが聴く音楽ソースを、本来の音楽性を損なうことなく、様々な音楽環境や好みに合わせて、サウンド全体のバランス調整が可能です。

入出力系統はシングルエンドRCAと、バランスXLRを装備。
その他、2つの12Vトリガー出力と、ファームウェア・アップデート用のUSBデータ入力も装備されています。

オーディオ信号経路は完全なアナログ回路になります。
アナログ信号は高品質なモーター駆動であるアルプス製のポテンションメーターで音量調整。
バス・チルト・バランス用の3つのロータリー・エンコーダーは、デジタル制御の精度を提供しつつも完全にアナログ領域で動作しています。

オーディオ回路は、当時の画期的なデザインであったオリジナルの設計意図に忠実であると同時に、最新のオーディオパーツを用いてアップデートされています。
低ノイズでカスタム仕様されたトロイダル・トランスや多数のリザーバーコンデンサ、スムースコンデンサを使用して、電源レールを含む全く新しい回路設計を生み出し、オリジナルの理念を忠実に踏襲しつつ、サウンド・パフォーマンスは格段に向上。

さらに、最新のフォノステージは、MM型とMC型に対応。
MM型のゲインは46dB、MC型のゲインは63.5dBで、入力ステージでは超低ノイズのオーディオ・オペアンプを使用。
この超低ノイズ性能は、高スルーレートと非常に低い歪み仕様と組み合わされています。
RIAA処理回路には、独自のデュアルバイポーラ/JFETオーディオ・オペアンプを搭載。
入力ステージのJFETにより、大きな出力スイングが必要な場合でも、高スルーレートで歪みを低く抑えることができます。


◆新しいパワーアンプ「QUAD303」




一目で「QUAD」であるとわかるデザインでありながら、スマートに改良が施されています。
フロントの特徴的なヒートシンク・フィンは、オリジナル同様に垂直方向(縦置き)のレトロ・モダンなデザインはそのまま継承。

オリジナル303の「トリプル出力段」は、最新の回路部品によって「シンメトリカル・トリプル」としてアップデートされています。
「シンメトリカル・トリプル」は、完全に対照的な出力段を提供し、静止電流を出力トランジスタの温度に左右されません。
それにより歪みは、安定性を犠牲にすることなく、極めて低いレベルまで低減され、あらゆる条件下であってもダイナミックにこの性能を維持します。

新設計の200VAの低ノイズ・トロイダル・トランスをはじめ、最新技術と最新パーツにより全く新しいパワーアンプとして誕生しています。
オリジナルモデルは8Ωで45W/chを発揮しましたが、低インピーダンススピーカーでは負荷に対応出来ずに、定格出力を下回ってしまいました。

新しい「QUAD303」でも最高出力は8Ωで50W/chとほとんど変りませんが、4Ωで70W/chと要求の厳しい現代スピーカーに適応しています。
また、ブリッジモードでモノラル駆動にすると8Ωで140W、4Ωで170Wとなり、「QUAD」の魅力的なフィネスを損なうことなく、サウンドの力強さとコントロール性を高めることが可能となります。



◆担当者より

「33プリアンプ」と「303パワーアンプ」はコンパクトでかわいらしく、中古市場でも大人気のモデルですね。
一度は是非使ってみたい!!と思わせる雰囲気を身にまとった製品です。

今回発売される「QUAD33」「QUAD303」のデザインは、オリジナルモデルをかなり忠実に再現されており、コンパクトで可愛らしく魅力的です。
「いつかはQUAD33」と思っていた方にもご納得いただける、現代版「QUAD」といえる仕上がりです。

サウンド設計もオリジナルの理念を忠実に踏襲していて、かつパフォーマンスを向上させているとのことなので期待出来ます。
RCA端子、XLR端子、3P電源インレットなど、現代機器の標準規格に順応しているので、他のブランドとの組みあわせも出来ます。

エレガントなサウンドはオリジナル「QUAD」同様、英国や北欧製のスピーカーとの相性は抜群でしょう。
また、格段に向上したサウンド・パフォーマンスにより、あらゆるブランドのスピーカーにも適応出来ると思います。

まずは、このデザインと佇まいが気に入れば、奏でられるサウンドも同じ傾向なので、おそらく気に入ると思います。
コンパクトで、インテリア性が高いので、棚やラックの上に置いて、美しいデザインを楽しめる稀少な製品としてお勧めいたします。







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