[ 2025年 1月 14日付 ]
ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
2025年 2回目のハイエンドメルマガは、ラックスマン100周年記念モデルの第一弾!
“超弩級”ヘッドフォンアンプ「P-100 CENTENNIAL」をご紹介いたします!
圧倒的なドライバビリティを突き詰めた、ヘッドフォンアンプのフラグシップとなります。
◆100周年の“CENTENNIAL”モデル
1925年、NHKによる実験放送に感化された、とある事業家が試作したラヂオ受信機とその技術解説書が世の新しいもの好きたちの目に触れ、大いに話題を呼んだことをきっかけに「ラックス」は生まれました。
まもなく、チューナーやアンプ、スピーカーの設計・製造を開始。
今のオーディオシステムの原点とも呼べるコンポーネントのラインアップに形を成していく過程で、ラックスは「ラックスマン」へと進化しました。
そして誕生から100年。ラックスマンは、2025年に創業100周年という節目を迎えます。
これまで開発された、さまざまなオーディオ技術と受け継がれてきたノウハウを磨き上げ、次の100年に通用する性能と音質を目指したアニバーサリーの“CENTENNIAL”モデルの開発に着手!!
その第一弾として、ヘッドフォンアンプのフラグシップモデル「P-100 CENTENNIAL」が誕生しました。
◆耳元で味わう豊穣のシンフォニー
ヘッドフォンリスニングの極みへ!!
音楽が紡がれる瞬間の躍動、静寂から歓喜のクライマックスまで。
世紀を超えた技術の連綿が生む、絶対的なリファレンスサウンドをあなたの耳元へ。
ただ力を誇示するのではなく、楽音の粒立ち、サウンドステージの広大さ、音楽の核心に迫る表現の豊かさを、鷹揚に引き出すヘッドフォンアンプが完成しました。
◆新・増幅帰還エンジン「LIFES」搭載
多種多様のヘッドフォンを駆動するフルバランス構成のアンプ回路。独自の高音質増幅帰還回路として、20年以上ラックスマンのアンプ技術の核となり発展してきた「ODNF(Only Distortion Negative Feedback)」。
2002年に誕生した「P-1」以降、ラックスマンのヘッドフォンアンプは「ODNF」の進化と共にありました。その最終進化バージョンを積んだのが「P-750u MARK2」です。
100周年を記念する「P-100 CENTENNIAL」には「ODNF」をさらに進化させた増幅帰還エンジン「LIFES」がヘッドフォンアンプとして初めて搭載。
新世紀を担う新技術「LIFES」は「ODNF」の特徴であった歪み成分のみをフィードバックさせ、鮮度の高い瑞々しい音色を再現するというコンセプトを継承しながら、回路構成とパーツを根本から再構築。
電圧増幅段へ新たに採用した高性能FETを含め、製造面においても長期間安定して供給される高音質パーツを厳選して採用しました。
「ODNF」に対し、回路単体で歪みは約半分以下、S/N比は3dB以上改善!!
これまで以上に静寂さが増すとともに、楽器ひとつひとつが鮮明に描かれ、音楽の躍動感をさらなる高みへと押し上げます。
◆新・電子制御アッテネーター「LECUA-EX」搭載
アッテネーターのノブの感触にまでこだわった高精細音量コントロール。発音体が耳元にあるヘッドフォンリスニングで問題になる、小音量再生時の左右レベル偏差、音量ポジションによる音質変化を極小化する技術が、20年以上に渡ってラックスマンが磨き上げてきた高純度電子制御アッテネーター「LECUA」です。
「P-100 CENTENNIAL」ではソリッドステート(IC)方式を取り入れ、回路構成をコンパクト化しながら、位置検出に重量回転機構を組み込んだ高精度ロータリーエンコーダーを備える「LECUA-EX」を採用。
さらに核心部である「IC」を刷新したことで、微小音域の調節をさらにきめ細やかに行える 0.5dBステップ 200段階の構成としています。
この「LECUA-EX」では音量調節に関わる機能性を一元化、使用するヘッドフォンのインピーダンスと能率に合わせた3段階の感度切替、LRバランス調節機能に加え、大切な耳とヘッドフォンを予期せぬアクシデントから保護する、6段階の音量制限機能も装備。
また、3桁の大型7セグメントLEDディスプレイにより、音量値を視認することができるようになり、厳密なリスニングでの音量の再現性を高めました。
◆ディスクリート部品による4回路構成
ディスクリート部品によって緻密に構築された増幅帰還エンジン「LIFES」を、同一の構成で4チャンネル分揃えたフルバランス・ヘッドフォンアンプです。
音楽信号の+と−を独立したアンプでBTL(ブリッジ)接続したバランス出力では、左右セパレーションや定位感の向上、混変調歪の低減、電源レギュレーションの改善といった効果が得られます。
一方、アンバランス出力では4チャンネルの増幅回路を左右2つずつ束ねたパラレル駆動を行い、出力電流の供給能力を倍に増強することで、ドライブ力を確保。
加えてバランス出力用端子(Φ4.4mm/4ピンXLR)使用時にスイッチを切り替え、グラウンドを左右独立させたパラレル・アンバランス駆動も楽しむことが可能。
さらに2台の「P-100 CENTENNIAL」を使う3ピンXLR出力端子におけるパラレルBTLバランス駆動では、8チャンネル分の増幅回路をフル活用することで、1台使用時と比較し、チャンネル当たり2倍の電流出力を誇るモノラルアンプ化を実現。
まさにあらゆるヘッドフォンを縦横無尽にドライブする、究極の再生環境を構築する事もできます。
◆ヘッドフォンに合わせた豊富な出力端子
ヘッドフォン出力端子は、世界中のさまざまなハイエンドヘッドフォンとの接続を想定し、Φ6.3mmの標準(アンバランス)出力端子に加え、バランス出力用として4ピンXLR端子とΦ4.4mm端子を搭載。
また「P-100 CENTENNIAL」を2台使用するパラレルBTLバランス出力モード専用端子として、3ピンXLR端子も用意しました。
◆音質劣化の無い各種設定と調節機能
「LECUA」の回路を応用することで音質を劣化させることなく、使用ヘッドフォンのインピーダンスと能率に合わせた3段階(0、-6、-12dB)の感度切替とLRバランス調節(0.5dBステップ、LR0〜-12dB)、音量ミュート機能を搭載。
また、音量の上限を設定し過大な音圧から耳を保護するボリューム・リミット機能(OFF、-10、-20、-30、-40、-50dBの6段階)も搭載されています。
◆大型7セグメントLEDによる音量表示
ラックスマンのヘッドフォンアンプとしては初めてフロント部に表示パネルを搭載。現在の音量レベルを数値で確認できる視認性に優れた大型7セグメントLED(0.5dBステップに対応した3桁表示)を採用。
また、スルー出力、バランス出力時のモード切り替え、BTL、ボリューム・リミット機能のステータスはLEDインジケーターで表示します。
◆多彩な各種ドライブモード切替
2種類のパラレルアンバランス出力(グラウンドLR共通/LR独立)とBTLバランス出力、そして、モノラル化して2台用意することで実現する究極の出力構成であるパラレルBTLバランス出力と、ヘッドフォンの性能や音質に合わせて選択可能な全4種の出力構成を用意。
愛機のヘッドフォンのポテンシャルを極限まで引き出します。
◆100周年を記念した銘板と高級外装
フロントパネルには、創業100周年記念モデルにのみ、あつらえた 光沢クロムメッキ仕上げの「CENTENNIAL」銘板を装着。
また、精緻なヘアライン加工とフロントパネルから張り出した迫力のフェイスが、フラグシップモデルのラグジュアリー感を演出しながら、筐体剛性も高める 6mm厚の3面アルミ製オーバーサイズボンネットを採用した高級感溢れる仕様となっています。
◆各回路独立の大容量電源回路
電源部には、アンプ回路専用に高いレギュレーション能力を誇るLR独立の大容量OI型トランス×2基と、リレーの駆動やLEDインジケーター類のための周辺回路専用トランスを独立搭載。
出力段には10,000μF×4本、ドライバー段には3,300μF×4本のカスタム仕様のブロックコンデンサーをLR独立で構成した、ラックスマン伝統の大容量ハイイナーシャ電源回路を採用。
◆こだわりの高品質パーツの数々
駆動力をロスなく伝えるためパラレル接続した低抵抗値のスピーカー用大型リレーを搭載。ヘッドフォンを駆動する出力ラインを徹底的に低インピーダンス化!!
各芯スパイラルラップシールドと芯線の非メッキ処理を施したOFCワイヤーの内部配線や、こだわりぬいたカスタムパーツなど、圧倒的なフラグシップ性能を実現する物量が投入されています。
◆ヘッドフォン駆動のための大型高剛性筐体
筐体には、アースのループを発生させず、シャーシ電流によるインピーダンスの上昇や磁界の影響を隔絶する高剛性ループレスシャーシ構造を採用。
ボトム部には、グラウンドマスの増大や製品の低重心化を実現し、パワーブロックの放熱器も兼ねた極厚4.1mm(2.9+1.2mm)の鋼板シャーシと、音楽信号を不要な振動から守るグラデーション鋳鉄製レッグを装着。
◆ハイエンド製品専用の電源ケーブル
接触抵抗を低減する金メッキ仕上げのACインレットは、装着の方向を従来より変更し、端子全体でケーブルの重量をサポートする構造に改良、コネクタ部の安定的な保持を実現。
電源ケーブルには、3.5スクエア高純度無酸素銅(OFC)線材と金メッキプラグを採用し、独自のノンツイスト構造により、自然で伸びやかな音質が特徴のラックスマンのトップエンドモデル専用ケーブル「JPA-15000」を付属。
◆スピーカーでも駆動出来るほどの強力な定格出力
■アンバランス:4W+4W(8Ω)、2W+2W(16Ω)、1W+1W(32Ω)、53mW+53mW(600Ω)
■バランス:8W+8W(16Ω)、4W+4W(32Ω)、213mW+213mW(600Ω)
■瞬時最大出力:アンバランス:5W+5W(8Ω)、バランス:20W+20W(8Ω)
◆担当者より
ラックスマンの100周年記念モデルの第一弾として発売されたヘッドフォンアンプです。
最近各社より発売されている、プリ機能を持ったヘッドフォンアンプでは無く、ラックスマン伝統の純粋なヘッドフォンアンプとなります。
ライン出力はRCAのパススルー端子のみとなります。
究極のヘッドフォンアンプを目指したという開発陣の熱い思いと共に、長年に渡るハイエンドアンプの開発で培ってきた、細部まで妥協しない実直な描写性、ヘッドフォンリスニングでありながら、スピーカーリスニングにも通じる立体的な音場感も味わえる、まさに100周年を祝うに相応しい集大成のモデルといえます。
ダイナミックさや高解像度を強くアピールすようなサウンドではなく、極限までの自然なサウンドが魅力でヘッドフォンの特性を素直に引き出してくれます。じっくりと腰を据えてヘッドフォンを楽しむリスナーにこそお薦めしたい、最良最高のヘッドフォンアンプです。
駆動力はこれ以上無い程強力で、あらゆるヘッドフォンを縦横無尽にドライブできるヘッドフォンアンプとして、現在ラックスマンが考えうる最高の回路と物量とノウハウを惜しげなく投入し“入念にドライバビリティとミュージカリティを突き詰めた” という100周年アニバーサリーモデル。
フロントパネルは肉厚なアルミ材に、精細なヘアライン加工が施されており、更に張り出したような構造のフロントパネルがラグジュアリー感を演出しています。
100周年を記念した光沢クロムメッキ仕上げの「CENTENNIAL」銘板が装着されていて、ラックスマンらしい繊細で美しい仕上げも魅力的です。
※注意:XLRバランス出力の3ピンXLR出力端子は1系統(片chのみ)となっているため、3ピンXLRx2本のバランス接続をするには、もう1台「P-100」を追加して、パラレルBTLバランス駆動とする必要があります。
3ピンXLR端子に関しては、開発の早い段階から「P-100」LR独立の2台使いを前提に回路の開発が進められていたとの事で、あくまで究極モデルを目指した結果となっています。