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音場工房

[ 2024年 12月 10日付 ]



モニターオーディオから、個性的なスピーカー「Studio 89」登場!!

ハイエンドオーディオ担当の"ichinose"です。
今回は、モニターオーディオの新製品の中で異彩を放つ“80年代のように型破り”なスピーカー「Studio 89」をご紹介します。




モニターオーディオの「Studioシリーズ」とは、1980年代に誕生し『 スタジオモニター並のサウンドを家庭にもたらした!! 』という伝説的なスピーカーです。

音楽やテレビなどの技術革新がめざましく、ポピュラーカルチャーが爆発的に普及した80年代にインスピレーションを得て創られたのが「Studio 89」と言うことですが、最先端の音響テクノロジーや、細部まで作りこまれた音響設計とデザインが導入されており、かなり魅力的なスピーカーに仕上がっています。

形式は、2ウェイ3スピーカーのバーチカルツイン構成の小型のバスレフ型で、いかにもスタジオモニター的なデザインと言えます。日本ではスタジオ・モニター・スピーカーが好きな方が多い(私も含めて・・)ので、琴線に触れる方が多いのではないでしょうか!!

サイズはコンパクトですが、奥行きは少し長めなのでご注意ください。


◆使用されているユニットなどについて

■ツイーターは「MPD3(Micro Pleated Diaphragm・マイクロプリーツダイアフラム)高周波トランスデューサー



非常に速く正確な動作が可能。軽量でプリーツ加工されたデザインはアコーディオンのように機能。広範囲のリニアな高周波音をリスニングエリアに届けます。


■ミッドバスはツイーターの上下に「RDT3(Ridgid・Diaphragm・Technology)」バーチカルツイン構成


Platinumシリーズでも採用されているユニット構造で、サイズは108mm径とコンパクトですが、コーンよりも大きい直径85mmの大型マグネットが搭載されており、強力な駆動力が特徴。

剛性と強度を確保するために3つの極薄層で構成、C-CAM外皮(セラミックコーティングされたアルミニウム・マグネシウム)が、Nomexハニカム中央コアの上に配置され、外皮は織り込まれたカーボンファイバーで作られており、超軽量で非常に高剛性を誇ります。



コーンの動きを精密にコントロールし、純粋なパフォーマンスを実現するユニットです。メタル・コーン・ドライバーの仕上げは品位のある渋めのゴールドを採用。


■コンパクトで強固なキャビネット


コンパクトで非常に幅が狭いため、音響を最適化し、リスニングエリアに非常に広いサウンドステージを提供する設計になっています。 キャビネットは内部も慎重に補強されており、構造的な剛性を確保しています。
フロントバッフルは厚さ18mm、サイドは15mmの堅牢設計。
仕上げは深みのあるハイグロス・ブラック塗装を採用。


■高剛性なフロントバッフル


強力な2基のミッドバスドライバーと、高域トランスデューサーを収めるアルミニウム製のバッフルを採用。バッフル自体とドライバーの両方がキャビネット本体との物理的な相互作用を少なくするための設計。

その完全なサブアセンブリは、バックパネルから来る長いボルトでキャビネットに固定されています。


バッフルとキャビネットの間、そして各ドライブユニットの面の間に密度の高いフォームサスペンションの層を配置。各パーツが完全に分離されつつも、強度と最高のパフォーマンスを実現するために全てが高密度に結合されています。

その結果、非常に剛性の高いキャビネット構造となり、ドライバー自体に対する干渉を無くし、よりクリーンで広がりのあるサウンドを実現しています。


■クロスオーバーネットワーク
長時間のリスニングとパーツ選定を経て決定された高品位構成。


高いレベルでの信号伝送と歪みの低減を実現し、最適なサウンドを達成しています。最高品質の特注ポリプロピレンと、ポリエステルコンデンサー、空芯インダクタと、低損失ラミネート・鉄心インダクタを採用。


■バスレフポート

内部の気流はキャビネットの上部と下部を通り、乱流やエアノイズを減少させる高速HiVe・2スロット・ポート採用。


■その他の特性
比較的標準的なスペックで使いやすい設計です。

能率:86dB、定格入力は150W、インピーダンスは6Ω、周波数特性:48Hz〜60kHz、クロスオーバー:2,400Hz、重量:7.6kg。


専用の特注フロアスタンド「Studio 89 Stand」と組み合わせて最高のサウンドが実現できるように設計されています。スタンドのセンターポールは押出しアルミニウム材、センターポール内部には鉱物が充填されており、優れた音響性能と精度の高いサウンドを実現します。


◆担当者より

ツイーターをウーハー2発で挟み込む、いわゆるバーチカルツイン形式のスピーカーですね。同一性能のウーハーで挟み込むことによりツイーターと同じ軌道で低域が出ているように聴こえる仮想同軸方式の構成です。

バーチカルツイン方式は大変優れた方式ですが、ユニットやネットワークに非常に高い精度が要求される方式と言われています。モニターオーディオはユニットはもちろん、ネットワーク、キャビネットまで全て自社生産しているだけあって、完成度の高さは見事と言えます。


この方式はバッフル面積を小さく(特に横幅を細く)する事が出来るので、広い空間表現力に優れ、明確な定位の再現性にも優れます。また、エネルギー感が凝縮されて、緻密なサウンドがストレートに飛んでくる感じで、スタジオモニター的な表現に魅力があります。

ブックシェルフとは思えないほどの響き、音の広がりを感じることができるスピーカーです。奥行きのあるステージに、ヴォーカルがピタリと定位し、曖昧さの無いボディ感を持って再現されます。

仕上げは艶有りのブラックに、ゴールドのユニットと聞いていたので派手な印象を想像していましたが、ゴールドでも淡いシャンパンゴールドに近い品位のある色なので上質感があり、安心しました。


スピーカーターミナルはシングル接続専用、入念に調整された質の高いネットワークが採用されています。


設置は裏面の上下にスリット型のバスレフポートがあり、背面の壁との距離で低域の量をコントロール出来ます。少し低域をブーストするくらいの設置で良いバランスが取れるかもしれません。

組み合わせるアンプ類は特に選ぶ傾向はありません。価格的にバランスのとれたプリメインアンプで十二分に満足出来ると思います。

また、かなりのハイエンドアンプと組みあわせも可能で、ハイエンドアンプと調和した見事なサウンドを奏でてくれます。将来のグレードアップにも対応してくれるので、長く飽きることなく使えるスピーカーと言えます。

オプションの専用スタンドに設置すると俄然躍動したサウンドとなり、スピーカーの特性を活かしたサウンドを追求できます。また付属の6mm径ボルト4本で完全に固定が出来るので安定感があり、この点でも、お勧めいたします。


メーカーの説明では、1980年代に発売されたアイコニックなスピーカー「Studio 15」へのオマージュとの事ですが、この「Studio 89」は完全に最新の現代的なスピーカーとして、また《奇跡的!!》と言えるほどの抜群のハイ・コスト・パフォーマンスを誇るスピーカーとしてお勧めいたします。






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