こんにちは、ハイエンドオーディオ担当 "ichinose" です。

今回は、カートリッジや交換針で人気の中電から、SHURE「M-44G」「M-44-7」に使える交換針がリニューアルして新発売されましたので、ご紹介いたします。

※「N44HG2」

SHUREオリジナルのカートリッジは、2018年に生産完了となってしまいましたが、カートリッジの「M-44G」「M-44-7」は、今でも、お使いの方が多いのではないでしょうか!!

※「N44HW2」

互換性のある交換針も「NAGAOKA」「JICO」「中電」などの交換針メーカーから各種発売されており、ある意味では、使い分けも出来る、かつて無い素晴らしい環境とも言えます。
各ブランドでそれぞれ個性もあり音質も異なる事から、好みはもちろん価格も含めて様々な選択が出来る様になっています。

そんな中で「中電」は以前より「N-44HG」「N-44HW」という型番の互換交換針が人気を集めていましたが、今回、5年ぶりにリニューアルして「N-44HG2」「N-44HW2」として新発売されましたので、どう変わったのかなども含めてレビューさせて頂きます。

◆SHURE・オリジナルの「M-44G」「M-44-7」について

SHUREから発売されていた「M-44G」は、丈夫な上に手に入れやすい価格であったことから多くのオーディオファンに広く愛用されているカートリッジです。「M−44G」は1963年に登場し、50年以上に渡って販売された歴史のあるカートリッジです。

オーディオのリスニング用として発売され、一度は使ってみるべきカートリッジとして世界中で定番となりました。

1980年代に入ると、「M-44-7」というカートリッジがアメリカのDJたちの間で注目を集めます。「M-44-7」は「M-44G」とほぼ同じ仕様で、出力電圧が9.5mVと大きいことが特徴です。スクラッチを始めとするDJたちのタフなプレイに耐える耐久性やコストパフォーマンスにも優れたため、DJ用カートリッジとして浸透しました。

日本では特に「M-44G」が人気となり、DJのみならずリスニング用としても多くの方に愛され続けています。

「M-44G」「M-44-7」の音質に関しましてはすでに各方面で語り尽くされていると思いますので、この場では、特にコメントはいたしません。

※試聴には手持ちのSHUREオリジナルボディーを使いました。

SHURE・オリジナル「M-44G」の仕様
■針圧範囲：0.75〜1.5g（2.0gぐらいでお使いの方も・・)
■出力電圧：6.2mV
■周波数特性：20Hz〜19kHz
■交換針カラー：グレー

SHURE・オリジナル「M-44-7」の仕様
■針圧範囲：1.5〜3.0g
■出力電圧：9.5mV
■周波数特性：20Hz〜17kHz
■交換針カラー：ホワイト

◆中電製「N-44HG2」「N-44HW2」について

「N-44HG2」は『 M-44G 』用としてグレー仕上げ、「N-44HW2」は『 M-44-7 』用としてホワイト仕上げとなっていますが、これは単なる色違いで音質や仕様は全く同じ製品です。

中電「N-44HG2/HW2」の仕様
■0.6ミル接合ダイヤ丸針
■出力電圧：8.5〜9.5ｍV/1ｋHz（5ｃｍ/ｓ）
■周波数特性：20〜18ｋHz
■チャネルバランス：1.5ｄB以下
■セパレーション：23ｄB以上
■負荷抵抗：47ｋΩ
■負荷容量：200ｐF
■適正針圧：2.0〜3.5ｇ
■重量：5.8ｇ
■生産：日本製（群馬県）

◆担当者より

中電の交換針は品質が高く信頼性がありながら、非常に価格が低く抑えられていて定評があります。
他の交換針の価格がかなり高くなってしまってる現状では大変貴重な存在です。
もちろん、安かろう悪かろうと言う事は無く、高い品質で抜群のコストパフォーマンスを誇ります!!

※旧モデル「N-44HG」

※新製品「N-44HG2」

オリジナルの「M-44G」と、中電製の新旧交換針「N-44HG」「N-44HG2」を聴き比べてみました。
※旧モデル「N-44HG」→挿入口先端にリード線を固定するためのハンダが見えます（下写真左）。
※新製品「N-44HG2」→リードレスとなっておりハンダはありません（下写真右）。

※左が「N-44HG」、右が「N-44HG2」

中電の「N-44HG」はもともとオリジナルに近いサウンドが好評の交換針でしたが、新製品の「N-44HG2」は、よりオリジナルのサウンドに近くなったと思いました。

また、ダンパーの改良によりリードが無くなったため、動きがスムーズになり、トラッキングが改善されて安定した再生が可能となっています。
SHURE 純正より、圧倒的に質の高いメイドインジャパン（純国産品）としてお勧めいたします。

※今から「M-44G」を始めようと思っている方もいらっしゃると思います。その場合は中古のSHURE製品は品質ムラが多く、使われ方により、どうしても当たり外れがありますので、ボディは JICO製の「SHJ44D/A7(針先別売)」を購入されて、針先は、今回ご紹介した中電製の交換針「N-44HG2」などの純国産の組み合わせが良いかもしれません。（NAGAOKA、JICOも高品質です）
多少日本的な音になりますが、品質は万全です!! SHUREの「M-44G」らしさも堪能できますし、色々と遊べて楽しいですよ・・・!!

※違うブランドの組み合わせは同じ規格ながら、経年劣化や製造時期等々により、多少の互換性相違が出る場合もございます、あくまで自己責任にてご判断をお願いいたします。