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音場工房

[ 2024年 8月 20日付 ]



レコード再生中に静電気を逃がすシェルリング「Static Eraser "Modern"」新発売!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ "ichinose" です。

今回はトップウィングから新発売の、除電機能付きシェルリング「Static Eraser "Modern"(スタティック・イレーサー モダン)」をご紹介します。


[型番] TW-SE-MDN


長さの異なる2種類が同梱されています。(S:3mmタイプ、L:5mmタイプ)


◆Static Eraser "Modern"は、除電機能を持つシェルリング



素材は金属並みの伝導性がある特殊なゴム素材です。
初めて案内を聞いたときは、カーボン製の製品かと思いましたが、現物を触ってみると…何と薄いゴム製で少し驚きました。
厚み0.5mmと薄く、重さも0.1g以下と、ゴム製のシェルリングと交換しても針圧調整もほぼ不要です。


◆Static Eraser "Modern"の効果は


・レコードに発生した帯電をトーンアームへ効率的に逃がします。
・レコード再生中に発生する静電気を『 数千ボルト 』→『 100ボルト 』以下に軽減。
・独自の形状と素材による優れた放電特性と振動吸収特性を兼ね備えています。
・シェルリング形状により、取り付け後に手間がかからず効果を発揮します。


◆静電気はレコード再生の大敵です

レコード再生時に発生する静電気は、放電ノイズのみならず、音質に多大な影響を与えます。
レコード盤は塩化ビニルという静電気を帯びやすい材質で作られているため、様々な要因、場所で静電気が発生します。
もちろん、静電気対策は色々と実施されていると思います…。


※レコード購入時のビニール製内袋から、静電対策済みの内袋に変更する。
(日頃から滞電をさせない→これ大切!!)


※ターンテーブルに載せるときに除電機器を使う。
(演奏直前の静電気をリセットする)


※レコード再生中に除電ブラシをセットする。
私も昔使っていたことがありましたが、レコードを裏返すたびに毎回セッティングが必要で手間がかかります。

静電気の中で最も対策が難しいのは、レコード再生中に発生する静電気です。音溝とスタイラスチップの摩擦によって静電気が発生してしまいます。
たとえ、再生前にレコ―ド盤の静電気をゼロにしたとしても、再生するにしたがって、数百ボルト〜数千ボルトもの静電気が発生してしまいます。


過去にも同様の発想の製品(スペックス製除電ブラシ:伝導性のある布が使われている製品 [現在生産完了])はありましたが、レコードに接触させるため、接触音を拾ってしまう難がありました。

Static Eraser "Modern"は、ヘッドシェルのゴムリングと付け替えるだけ。
設置場所を確保する必要もなく、使う手間も全くありません。「簡単」「お手軽」にお使いいただけます。
独自の形状と素材によって、盤面と非接触で放電を行うため、音質への悪影響がありません。


◆Static Eraser "Modern"の装着方法


取り付け方法は簡単です。
シェルに取り付けてあるシェルリング(ゴムリング)を外します


Static Eraser "Modern"を取り付けます


後はいつもと同じようにトーンアームにセットするだけです


◆取り付け時の注意点

必ず盤面とStatic Eraser "Modern"の下端が水平になるように取り付ける必要があります。(斜めになると効果が減少します)
トーンアームのロックナットの回転によって傾かない様に、注意しましょう。
※片手で軽く押さえながら、普段通りにゆっくり回せば問題ありません。

カートリッジの背の高さによって距離が異なるため、Static Eraser "Modern"には長さが異なるものが2種類付属します。
お使いのカートリッジに合わせて、盤面とStatic Eraser "Modern"の下端の距離が近くなる方をお選びください。
レコード盤に針を落として、Static Eraser "Modern"が盤面に触れていないか確認ください。

接触しない範囲で近ければ近いほど効果を発揮しますが、2〜3mm程度の隙間があっても十分な効果が発揮されます。
※隙間が少なすぎるとレコード盤の反りなどによって接触する場合がありますのでご注意ください。


Static Eraser "Modern"の下端を短くカットして使う事もできます。
※下端ができるだけ水平になるようにカットしてください!!定規で押さえて鋭利なカッターで切断する事をお勧めします。


◆実際に装着してみました


DENON「DL-103」シリーズの場合は(MDN-S)


audio-technica「AT-OC」シリーズの場合は(MDN-L)


SHURE「M44」シリーズの場合は(MDN-L)

ORTOFON「SPU」などの背の高いカートリッジは(MDN-L)


◆シェルリングは使っていない方もおられると思います

ゴムが介入することによって剛性が軽減し、リアルな反応が妨げられる…。
しかし、シェルリングによって不要な共振を吸収した方が良いと言う意見もあり、中々奥の深い問題です。
意外と気にしていない方も多いようですが。

今回試した限りでは、除電による音質改善効果が大きく、試す価値は十分あると感じました。


◆導電性のある特殊ゴム素材を採用

放電性能と振動吸収性能を両立する素材は、トップウィングの高級カートリッジ「青龍」「朱雀」のダンパーゴムを共同開発した「東商ゴム」の協力を得て、製造されています。
※「東商ゴム」製のカンチレバーゴムダンパーは、大手カートリッジブランド2社にも採用されています。

検討を重ねた結果、音質の異なる2種のゴム素材が最終的に残り、その中で現代的なサウンドステージ、質感を持つ素材を「Modern(モダン)」と名付けて発売されました。
※もう一つのゴム素材の製品も開発継続中との事です。音質傾向が少し異なるそうで、発売は未定ですが楽しみですね。


◆担当者より


※ハードケースに収納されています

取り扱いが簡単で手間のかからないアクセサリーは大歓迎です!
ご紹介したStatic Eraser "Modern"は、まさに理想的なアナログレコード用アクセサリーといえるのではないでしょうか。

音質改善効果は「誰でも分かる」レベルで、「大いにお勧め!」の評価となります。

「今まで団子になっていたステージが広がり、音楽だけが聞こえるようになる」「音場が綺麗になり、楽器の音離れが改善される」「録音の良い盤ほどよく分かる」「カートリッジの性能が上がったように感じる」「副作用は感じられない」などが試聴した感想です。

私も現在は演奏中の除電対策は実施していませんでしたので、その音質改善効果と取り扱いの楽さには驚きです。
ぜひ、メインカートリッジには取り付けしてお試しください。お勧めいたします。
独自の形状と素材によって、盤面と非接触で放電を行うため、音質への副作用がありません。



※試聴に使ったLPレコード

ただし、瞬間的に強力に除電できる製品ではないので、演奏前に強く帯電していると演奏開始から効果が出るまで数秒かかる場合があります。
そのため、帯電しない取り扱いや、帯電してしまう場合は演奏前にある程度の除電が必要となるので除電対策アクセサリーとの兼用をお勧めします。

レコード盤やスタイラスチップが汚れていると接触抵抗が大きくなり、静電気も発生しやすくなります。
日頃からレコード盤を丁寧に扱っていれば静電気の発生はそれなりに抑えられますが、Static Eraser "Modern"の効果ははっきりと確認出来るものでした。
カートリッジは「MM型」「MC型」と使ってみましたが両方とも同様の効果がありました。

今年(2024年)の夏はムシムシと暑いですよね。夏場は湿度が高く静電気は発生しにくいですが、熱中症対策に冷房や除湿を効かせている部屋では必需品といえます。


◆使用上の注意点(事前にご確認ください)


・ヘッドシェルを用いないシェルやカートリッジ直付けのストレートアームにはお使いいただけません。
・アーム部もしくはヘッドシェルコネクター部が導通性の無い素材のトーンアームにはお使いいただけません。
・構造的にシェルリングが付けられないシェルにはお使いいただけません。






今回ご紹介した、トップウィング『 Static Eraser "Modern" 』はこちら

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