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音場工房

[ 2024年 7月 23日付 ]



タンノイ スーパー・ゴールド・モニター「SGM」シリーズ 最新モデル!!!

こんにちは、ハイエンドオーディオ "ichinose" です。
タンノイより発売されたヘリテージスピーカー「スーパー・ゴールド・モニター」をご紹介いたします。


◆今回新発売されたのは、下記の3モデルです。

10インチ (25cm) 同軸ユニット搭載「SGM-10」
12インチ (30cm) 同軸ユニット搭載「SGM-12」
15インチ (38cm) 同軸ユニット搭載「SGM-15」



◆タンノイの同軸型2ウェイモニターの歴史

タンノイ社の創立は1926年。まもなく創業100年を迎える、世界で最も古いオーディオメーカーです。名前の由来は、マグネットの材質 "Tantalum-Lead Alloy"(タンタル+鉛アロイ)からきています。

1947年に、タンノイのデュアルコンセントリック方式の「モニター・ブラック」と呼ばれる同軸型2ウェイスピーカーが誕生。
※まだモノラルSPレコードの時代。

1953年に、ネットワークを独立させた「モニター・シルバー」と呼ばれるユニットが登場。
※専用キャビネットの「オートグラフ」と一緒に発売されました。
※1955年には、「GRF」と呼ばれるコーナー型キャビネットも発売されました。

1958年に、ステレオ時代に対応した「モニター・レッド」が発売されました。
※レッドモニターは、1967年まで続き、真空管黄金時代を過ごします。

1967年、トランジスターアンプの出現により、8Ωの「モニター・ゴールド」と呼ばれるユニットが発売されました。

1974年の大事件!! コーン紙製造工場を火事で失ったタンノイ社は、西ドイツのコーン紙(クルトミュラー製)を採用。強度不足をリブで補強して重くした「HPDシリーズ」が登場しました。
※HPDとは「ハイ・パフォーマンス・ドライバー」の略です。
※日本の輸入代理店が現在のTEACとなりました。
※一世を風靡した名器「アーデン」「バークレイ」「チェビオット」「デーボン」「イートン」が発売。
※「オートグラフ」と「GRF」は、本格的にタンノイ社の監修を受けた国産キャビネットモデルが登場(進工舎製)。

オリジナルのスーパー・ゴールド・モニター「SGM」シリーズは、1985年代スタジオレコーディングの黄金時代に登場したスタジオモニターです。多くのスタジオに導入された「SGM-10B」は世界中の一流エンジニアに選ばれたモニターの逸品として有名です。

「SGM」シリーズはスタジオモニターとして、10インチから15インチユニットを搭載したモデルが発売されました。「SGM」シリーズの中で、1990年に発売された「タンノイ-LGM(30cm同軸型2ウェイ)」は、日本で一般家庭用として、大変人気のモデルとなりました。



◆スーパー・ゴールド・モニター・ゴールデン・サークル「黄金の環」

タンノイのスーパー・ゴールド・モニターは1980年代に発売されて以来、数限りない有名録音スタジオが導入。歴史上もっともアイコニックなアルバムやサウンドトラックのミキシング・マスタリングに使われた実績があります。

「マイケル・ジャクソン」「エルトン・ジョン」「イーグルス」「ビリー・アイドル」「デペッシュ・モード」「クリスティーナ・アギレラ」といった名だたるミュージシャンや、「トップ・ガン」「ブレックファスト・クラブ」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」といった映画のサウンドトラックなど、制作スタジオで奏でられていたサウンドが、数限りない名作の録音スタジオで、タンノイのスーパー・ゴールド・モニター「SGM」は作品が生まれる瞬間に立ち会ってきました。



◆新製品のタンノイ「スーパー・ゴールド・モニター」について

音楽と映画の音質をそれまでスタジオの中だけで聴かれていた特別なサウンドから、音楽愛好家が自宅で楽しむためのスピーカーとして発売されたスピーカーとなります。スーパー・ゴールド・モニターで伝説のスタジオで奏でられていたサウンドを自宅に迎える事が出来ます。



◆精緻を極めたデュアル・コンセントリック・プレシジョン(Dual Concentric Precision)

タンノイのデュアル・コンセントリックでは、ウーハーとツイーターは、同軸構造で文字通り一体化された構造となっており、クラス最高レベルの優れた位相特性を誇ります。
同じ一点から音が放出されるため、真のポイントソース(点音源)再生となり、加えてスフェリカル(球面)状の波形を形成することにより、水平/垂直方向ともに極めて均一なディスパージョン(放射)パターンを誇ります。
このため、スーパー・ゴールド・モニターは、スピーカーの中心軸以外の場所で試聴しても、高い再生クオリティーを備えています。

デュアル・コンセントリック構造の美点は、スウィートスポットが非常に広いことで、2本のスピーカーの真ん中に座って聴かなくても、音楽ソースに含まれる一音一音の微細な情報を正確に聴くことができます。
部屋の中を自由に移動しても、家族や友人たちがいる場合でも、リスニング専用シートに座らなくても誰もが優れたサウンドを楽しむことができます。

今回発売された「スーパー・ゴールド・モニター」シリーズには、カッパー・デモジュレーション・リングとフェライト磁石を組み合わせた磁束密度の高い磁気回路を採用し、1970年代のオリジナル・アルニコ設計をも凌駕する現代的な性能を達成しています。



◆ウーハーコーン


※SGM-10の25cmユニット

空気乾熱によって最終処理するエア・ドライ・フェルティングを採用し、分割振動を最小限に抑え、優れたトランジェント特性とパワーハンドリング特性を獲得しています。
ボイスコイル周辺には特殊な薬剤を含浸させて、低域の放射特性を改善し、中域の拡散特性も向上させています。
最適の硬度に設計されたコーン形状は、独自のテクノウェーブガイドとスムーズに接続されます。



◆ツインロールハードエッジ


※SGM-12の30cmユニット

コットンクロスをツインロール状に形成したハードエッジは、強度と耐久性を高めるため特殊フェノール樹脂を含浸させ、表面を特殊コーティング。
トランジェント特性に優れた俊敏な低域と分割振動を抑えた濁りのない中域を再現します。



◆ツインマグネットシステム

HFホーン(ウェーブガイド)をマグネットのポールピースとすることにより、LF磁気回路を構成する必要がなく、HF・LF個々に最適な磁束を確保。
異方性バリウム・フェライト・マグネットが強力で安定した磁界を作り出し、ユニットを正確に駆動します。小出力アンプでも充分に駆動可能な広い対応性を実現しています。



◆ボイスコイル

コイル捲き線には、低質量・低インダクタンスのアルミ線を採用。応答性に優れ、微少な音楽信号にも高いリニアリティで応えます。
このアルミ線は断面が角形で隙間なく捲きつけられ、高密度で強力なコイルを形成。芯材には軽量・高剛性のグラスファイバー、絶縁材にはポリアミドを採用することで、発熱による高温動作時も安定した特性を発揮します。



◆TWツイーター


※SGM-15の38cmユニット

テクノウェーブガイドは、ホーン内部の音の通り道(ウェーブガイド)をコンピューター解析に基づいて超精密成形し、正確な球面波を放射。
振動板面からホーンエッジまで等距離になるように設計され、高域の再生位相特性を格段に向上させています。
ダイアフラムはナチュラルな音質で応答性に優れた軽量アルミ・マグネシウム合金で、LFとのつながりがよく、自然で豊かな音楽を再現します。



◆高品質のロックアップ式高域レベルコントロールシステム搭載


※SGM-10、12

「スーパー・ゴールド・モニター」は、アーティスト達が望むサウンドにとても忠実です。しかしながら、試聴環境によってはスピーカーの微調整がさらに高品質な再生につながります。
スピーカーの前面には、高域の音量レベルコントロールシステムを備えています。試聴環境によっては、これらのコントロールを使って、お好みに音質を微調整することができます。
ロックアップ式高域レベルコントロールは、経年変化や酸化などによる接触不良や接触抵抗ロスを防ぐため、金メッキを施したネジにより確実にレベル切り替えができます。

「TREBLE ENERGY」は、ツイーター全体のレベルを±3dBで5段階に増減。
「TREBLE ROLL OFF」は、5kHz以上の周波数を+2dB/oct 〜 -6dB/octの5段階のスロープで増減することができます。
「SGM-15」は、さらに「PRESENCE ENERGY」コントロールを装備し、音楽の臨場感を演出する1〜5kHzのレベルを5段階で増減させることができます。


※SGM-15


◆アース端子付きバイワイヤリング端子


※全モデル共通

スピーカー背面には、バイワイヤリング接続が可能なタンノイオリジナルのスピーカー端子を採用しています。
タンノイ独自のアース端子を加えアンプとのアース接続が可能となり、高周波ノイズの侵入を低減し、中高域の透明度をさらに高めます。
※スピーカーへの仮想アース機器の接続も簡単に実現します。



◆共振を防ぐフットベースとスパイクを付属(SGM-12/SGM-15)

音質に悪影響をもたらす不要振動や共振を防止します。リスニングルームや床面などの状況に合わせてご使用ください。
※スパイク受けは別売りとなります(市販のスパイク受けをご用意ください)



◆「Golden Look. Golden Sound」ゴールドに輝くルックス、サウンド

タンノイにとって、音質は何よりも優先すべきものです。
しかしながら、どのような部屋のしつらえともエレガントに、自然に調和するスピーカーで、極上のサウンドが聴けるのであれば、それに越したことはありません。
エンクロージャーのデザインは、オリジナル・スーパー・ゴールド・モニターの流れを汲むクラシカルな趣でありながら、ゴールド・アノダイズ仕上げアルミ製の調整パネルなど、随所にモダンなエッセンスを加えています。

スタイリッシュなアメリカン・ウォルナット突き板仕上げの質感の高さは、どのような部屋とも優雅に調和しつつ、本物のデザイン家具だけが備える魅惑的で確かな存在感を感じさせてくれます。
背面も高級感溢れるアメリカン・ウォルナット突き板仕上げが施されています。

エンクロージャーは、あくまでも高音質を実現するために設計されています。高密度材を贅沢に使ったキャビネットは極めて高い剛性を誇り、その結果しっかりとコントロールされた、音楽的かつ、圧倒的にリアルな低域の質感を備えています。
※専用ウッドワックス付属:蜜蜂の巣から抽出したワックスを主成分とする木製用高級ワックス、エンクロージャーの味わい深い木肌の美しさを保ちます。



◆10インチ(25cm)同軸ユニット搭載の「SGM-10」

「Responsive Tightness」応答性が高く引き締まった音色、伝説的スタジオモニター「SGM-10B」の現代版と言える製品です。

「SGM-10」の10インチ・ウーハーは、豊かな低域と引き締まった応答性の高い中高域が、絶妙にブレンドしたサウンドを提供します。ハイスピードでアタックの強い音楽を聴くのに最高のスピーカーです。
例えば、ファンク、エレクトロニカ、ワールドミュージックやコンテンポラリーなジャズなどが思い浮かびます。もちろん、クラシック、ロック、ポップスを含めたあらゆる音楽との相性も抜群で、「チルな」音楽体験を提供してくれることでしょう。



◆12インチ(30cm)同軸ユニット搭載の「SGM-12」

「Embrace the Warmth」ウォームな質感を湛えた音色、スーパー・ゴールド・モニター「SGM-12」が誇る12インチ・ウーハーは、解像度豊かな音場表現の中に、ウォームな質感を湛えた音色が特長です。
もし、オーケストラ音楽や、ロック、ポップス、ブルース、ソウルなどがお好みでしたら、最高に素晴らしい相性を発揮してくれることでしょう。
もちろん、ジャズやR&B、ヘヴィーメタル、そしてその中間にあるあらゆる音楽の再生にも、鳥肌が立つような感動体験を生み出す資質を備えています。



◆15インチ(38cm)同軸ユニット搭載の「SGM-15」

「Larger Than Life」現実を超えたスケール感、スーパー・ゴールド・モニター「SGM-15」の15インチ・ウーハーのサウンドは驚異的で、現実を超えたスケールのサウンドを遺憾なく聴かせてくれます。
量感豊かでパンチのある低域がカギとなる音楽ジャンルも余裕でこなし、音楽にとって大切な中音域の音質は、クリアかつ鮮明。高域はシルクのようにスムーズで味わい深い音色です。
モダンなR&B、ヒップホップからマニアックなエレクトロニカ、そしてロックまで。しかし、もちろんそれだけではありません。どんな音楽ジャンルでも極めて優雅な再生音を響かせます。



◆担当者より

タンノイの往年のスピーカーといえば「アーデン」を代表とするHPDユニットを搭載した製品が最も有名ですね。
38cmユニットのHPD385「アーデン」、30cmユニットのHPD315「チェビット」、25cmユニットのHPD295「イートン」のオリジナルモデルの発売は1976年発売でした。
家庭用の英国製スピーカーとして日本では絶大な人気を誇り、実際にお使いだった方も多かったのではないでしょうか。
現在は2017年に復刻されたレガシーシリーズとして「アーデン」「チェビット」「イートン」と名付けられて復刻販売されています。

今回ご紹介した新製品「SGM」シリーズは1980年代にPROスタジオで活躍していた「スーパー・ゴールド」を起源とするヘリテージ・スタジオ・メイン・モニター・スピーカーです。
世界の一流アーティストやエンジニアに選ばれてきたモニタースピーカーの復刻モデルといえます。伝説の録音スタジオで奏でられていたモニター時のサウンド、アーティストの声をそのまま自宅で再現することが出来るかもしれないと思うとかなり魅力を感じますね!

プロオーディオからインスピレーションを受け、「モニター」という名前が付いていますが、この新しい「SGM-10」「SGM-12」「SGM-15」は、一般のご家庭の使用を目的として、丁寧にそして美しく設計されたHiFi・モニター・スピーカーとして発売されています。
実はスタジオではモニター設置の制限が厳しい事が多く、モニタースピーカーを起源としたモデルは設置の自由度が高く、使い易さも優れていると言えます。

新製品「SGM」シリーズのサウンドは温かみがあり、豊かな音の風景を感じさせる、まさに詳細なサウンドスケープを備えたサウンドといえます。
クラシック音楽は勿論ですが、JAZZ、ロック、ポップ、ブルース、ソウル等々にも対応する実力はモニターモデルならではといえます。
音場もオフマイク録音の奥行き感だけでなく、オンマイク録音のライブ感の表現も再現できる実力を備えたスピーカーです。様々な音楽ジャンルを、より積極的に楽しむことが出来る、魅力的なスピーカーとしてお勧めいたします。





今回ご紹介した タンノイ『 SGM 』シリーズはこちら

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