ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

今回は、FOSTEXより、プレミアムグレードの10cmフルレンジユニットを搭載したスピーカーシステム「GS-103A」をご紹介いたします。
搭載されているユニットは、以前限定販売されていた「FE-103A」となります。※2019年10月発売で完売

◆ FOSTEX「GS103A」の概要

プレミアムグレードのフルレンジユニットを伝統的なバスレフ・ブックシェルフ型・キャビネットに搭載したスピーカーシステムです。音楽をリラックスして楽しんでいただくため、懐かしさと落ち着きを感じさせるシンプルな佇まいのデザインを採用。こだわりのプレミアムフルレンジユニットを内蔵した、国内生産のブックシェルフ型スピーカーシステムです。

◆ レトロ感を演出するヘリテージデザイン

懐かしさを感じさせるグリルネットをあしらったオーソドックスな伝統的デザインのブックシェルフ型エンクロージャー。

イングリッシュ・ウォールナットの木目仕上げと相まってインテリアに馴染みやすく、落ち着きを感じさせます。

◆ 徹底した音響チューニング

バスレフ型のエンクロージャーは、単に音響性能だけを追求する次元に留まらず、音楽をリラックスして楽しむにはどうあるべきかを主眼に、最適な音響状態を得られるようチューニングされています。

剛性を確保しながら共振が分散するようにバランスを考慮して選定した板材の材質と材厚、適材適所に配置した役割の異なる二種類の材質の吸音材、量感と質感の両方をバランスよく感じられるバスレフポートのチューニングなど、随所に綿密な調整が施されています。

ユニットの取り付けは埋め込みナット仕様でしっかりと固定されており、経年の緩みなどにもしっかりと対応しています（六角ネジで固定）。

◆ プレミアムグレードの10cmフルレンジユニットを内蔵

搭載されているユニットは、FOSTEX / フォスター電機創業70周年を記念し、700セットの限定生産で、企画、製造されたプレミアム・スピーカー・ユニット「FE-103A」です。希少なアルニコマグネットを使用した、往年のスタイルを保ちつつも最新の独自技術を採用した特別な製品です。

◆ 2層抄紙コーン採用

コーン紙は、繊維が細くしなやかで密度の高いESコーンを2層抄紙とする事で、軽量ながら更なる剛性の向上と、内部損失の確保を実現しています。基層に長繊維のパルプを主体にかさ高の構造による高剛性化と内部損失の保有を両立させ、表層には短繊維のパルプを配合し、振動板表面の伝播速度を高めています。

これにより中域の明るく張りのある音色はそのままに、立ち上がりが良く切れのある高音と厚みのある低音の再生の両立を実現しています。

※2層抄紙とは振動板を2段階に抄紙する独自の技術で、基層と表層の2層で1つの振動板を構成する技術です。

◆ ハトメレスによる中音域の低歪み化

ハトメの重量が振動板に付加されることによって重量バランスが不均等になり、コーン形状振動板が持つ円環状の振動モード以外にも不等分割共振を出現させ、中音域での歪の原因となっていたため、ハトメレス構造にすることで中音域の高調波歪を低減させています。

◆ ポケットネックダンパーの採用

前述のハトメレス化を実現しつつ、ボイスコイルとダンパー及びコーン紙を同一円周上で接着する3点接着を実現するために、ポケットネックダンパー方式を採用しています。

◆ アルニコマグネット、銅キャップの採用

マグネットには希少なアルニコマグネットを採用し、磁気回路内のポールピースには銅キャップを配置することで電流歪を低減させ、駆動系の低歪み化により中高域の明瞭度を一層向上させています。

◆ 金メッキ端子

入力端子は、ファストン205タイプの低損失金メッキ端子を採用しました。スピーカーケーブルの確実な接合に加えて、音質劣化を防いでいます。

◆ 主な仕様

・再生周波数帯域：58Hz〜20kHz
・能率：87dB/W
・インピーダンス：8Ω
・外形寸法：204W×288H×194.5Dmm（グリル含む）
・質量：約3.0kg/1台（グリル含む）

◆ 担当者より

「GS-103A」に搭載されているユニットは例のあのフルレンジです。
「FE-103」系の70周年記念モデルとして、2019年10月に700セット限定で発売された「あれ！」・・「FE-103A」です!!

70周年の記念モデルと言うことで、FOSTEXの最新技術である2層抄紙振動板を採用されている一方、音質的には優れているものの、希少金属となってしまい、コストの関係でほとんど採用されなくなった拘りのアルニコマグネットを採用。

伝統的なコの字型のヨーク構造＆アルニコマグネットという歴史的技術と最新ノウハウを融合させた高級ユニットです。

「FE-Sol」シリーズから採用されている2層抄紙は、低歪みで聴きやすく、繊細で伸びのある高域が特徴です。
「FE-103A」は更にアルニコマグネットによる低域の存在感のあるサウンドと圧倒的なスピード感との組み合わせで隙の無い優れたユニットに仕上がっています。

また、このユニットはキャビネットを選ぶ傾向がなく大変使いやすいユニットとして有名で、基本に忠実な「GS-103A」の箱は大変相性が良く完成度も高く、素直なバランスで癖がない大変聴きやすい優れたサウンドとしてお勧めいたします!!

紙コーンの小口径フルレンジならではのバランスの良さはもちろん、可憐で、カラッと明るい音が魅力です。特に小音量時のリアリティーの高さ、切れの良さは特筆モノの出来と言えるのではないでしょうか!!

※「FE-103A」ユニット発売時の木箱は付属しておりません、ユニット裏の限定特別プレートは取り付けられています。

フルレンジはネットワークもなくアンプにダイレクト接続されます！ マルチウェイシステムの様な周波数特性の繋ぎ目もなくシームレスな帯域バランスは、セッティングが容易でハイエンドシステムのセカンドスピーカーとして楽しんでいただく事も出来ます。

また、メインシステムのチューニングのベースになり得る素質も持っています。特に大型スピーカーやマルチアンプなどの複雑なシステムをチューニングする際の参考サウンドとして貴重な存在とも言えます。

ユニット・フレームの仕上げも記念プレミアムモデルならではと言える美しい全面グロスメッキが施されており、精度の高い美しいキャビネットに納められて、総合的に大変雰囲気のある製品に仕上がっているのもお勧めのポイントです。