[ 2024年 5月 14日付 ]
STAXより、新開発ユニットを搭載した イヤースピーカーのエントリーセット「SRS-X1000」新発売!!
ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。
今回は、STAXより、新開発ユニットを搭載した イヤースピーカーのエントリーセット「SRS-X1000」が新発売されましたので、ご紹介いたします。
「SRS-X1000」は、イヤースピーカー「SR-X1」と、ドライバー・ユニット「SRM-270S」を組み合わせたセットとなります。
イヤースピーカー「SR-X1」は伝統の円形イヤースピーカーを現代の設計思想で再構築した新エントリーモデルです。歴代のイヤースピーカー「SR-1」「SR-X」をモチーフとしたヘリテージデザインが採用されています。
◆ コンデンサー型ヘッドフォン(イヤースピーカー)の試聴メリット
・リスニングルームの音響特性、定在波、不要な音の反射の影響を受けないため非常に正確な再生音を実現。
・スピーカー再生のような空気負荷がほとんどないため、音響振動板を軽くすることができ、優れた過渡応答を実現。
・トランスデューサーのダイアフラムを耳に非常に近づけて配置するため、音楽の細部まで明確に聞き取ることが可能。
◆ コンデンサー型ヘッドフォンの技術的特徴
・静電トランスデューサは、動的タイプのトランスデューサよりも所定の時間内に2倍の情報を変換できるプッシュ/プル デバイスです。
・静電素子は数ミクロンの厚さの高分子フィルムを振動板として採用しており、紙やマイラーコーン、金属タイプの振動板に比べて遙かに小さな質量を実現。
・静電素子に磁石を使用していないため、ダイナミック型ヘッドホンで発生する磁気ヒステリシス歪みが発生しない。
◆ コンデンサー型ヘッドフォンに採用されている静電型トランスデューサーの原理
平行に配置された2つの固定電極と、電極の中央に吊り下げられた厚さ数ミクロン(2ミクロン未満)の高分子フィルム振動板で構成されています。低質量フィルム振動板には、通電アダプターまたはドライバーユニットからバイアス電圧が供給されます。
オーディオ信号の変動電圧が電極に印加されると、ダイヤフラムはダイヤフラムとは逆の電荷を持つ電極によって引っ張られ、同時にダイヤフラムと同じ電荷を持つもう一方の電極によって押され振動を発生します。
◆ コンデンサー型ヘッドフォンの老舗「STAX」の歴史
STAXは1938年に「昭和光音工業」として林尚武氏が設立。日本の工場で一つ一つをハンドメイドで生産しており、80年以上の歴史を持った 世界に誇る「Made in Japan」の貴重なブランドと言えます。
1960年に世界初の静電型ヘッドフォン「SR-1」を発売、それ以降STAXでは「ヘッドフォン」ではなく「イヤ・スピーカー」と称されています。
音楽を再生するための超高忠実度デバイスとしてSTAXコンデンサー型ヘッドフォンは海外でも「EARSPEAKER」と呼ばれて高い人気を誇ります。
◆ SR-1系列モデル
初のイヤースピーカーは1960年発売された「SR-1」。
ドーナッツ状の耳覆い型のコンデンサー型ヘッドフォン。
1968年登場の後継モデル「SR-3」は振動膜や固定極、イヤパッドなどを改良。
◆ SR-X系列モデル
「SR-1」「SR-3」から派生した解像度重視の上位モデル。振動膜や固定極の改良に加え、プレッシャー型と呼ぶ薄い耳のせ型のイヤパッドを持つ。
耳とイヤパッドの間の容積を小さくすることによる特性の向上を実現していた。
1970年発売「SR-X」から、薄膜化を進めた2ミクロン振動膜を採用した「SR-X/MK-2(1972年)」、一回り大きなユニットに変更された「SR-X/MK3(1975年)」。
◆ 新製品の静電型イヤースピーカー新世代入門機となる「SR-X1」をご紹介!!
「SR-X1」は、STAXが“静電型イヤースピーカー”と呼ぶ静電ヘッドホンの新たなエントリーモデル。
発音体に新設計の中型円形ユニットを搭載、デザイン面では歴代のイヤースピーカー「SR-1」「SR-X」をモチーフとしたヘリテージデザインを採用。「本物の静電型の音を次の世代へ届ける」という思いを込めたコンセプトで開発されています。
◆ フラットかつニュートラルな再現性を持つ新設計中型円形ユニット
音質の基本となる発音体には、新設計の中型円形ユニットを搭載。静電型の持ち味であるフラットでニュートラルな再現性を特徴としています。また、従来モデルに比べ、発音ユニットを筐体内にダイレクトに配置したほか、各パーツ間の継ぎ目を極力少なくすることで、正確で芯のある音を獲得。
開放面のバックスリット構造は厚みを均一にせず、滑らかな曲線形状とすることで、音波をスムースに外へと透過させ、歪みを低減。機構面ではリケーブル構造を採用するなど、各所に施された高音質化のための合理的な設計や徹底したミニマム化が追求されています。
◆ 刷新されたアークデザインとフィット感の向上
フレーム構造に金属素材を採用することで不要共振を抑制、耐久性も大幅に向上しています。従来のエントリー機では見落とされがちだったアークAssyの剛性面もアップデートされています。
金属素材を積極的に採用したことでアークとヘッドパッドを一体化、長時間のリスニングでも聞き疲れしにくい軽さと丈夫さの両立を実現しています。
イヤーパッドは肌触りの良いシープスキン(羊皮)を採用。パットの内部はメモリーフォームを新採用し、さらなるフィット感の向上が図られています。付属のケーブルは脱着可能なリケーブル構造のOFC平行6芯、全長2.5m
◆ イヤースピーカー「SR-X1」の基本的なスペック
・再生周波数帯域:7Hz〜41kHz
・静電容量:110pF(付属ケーブルを含む)
・インピーダンス:145kΩ(10kHzにて付属ケーブルを含む)
・音圧感度:101dB/100Vr.m.s.入力/1kHz
・バイアス電圧:DC580V
・本体質量:234g
・付属ケーブル:OFC平行6芯構造で、ケーブル長2.5m。
◆ 新開発の小型ドライバーユニット「SRM-270S」をセット
※「SRM-270S」は「SRS-X1000」セット専用モデルで単品販売しておりません。
「SRS-X1000」は、上記「SR-X1」に新開発の小型ドライバーユニット「SRM-270S」を組み合わせたセットモデル。
ドライバーユニット「SRM-270S」は、RCAピンジャックの高品位化、3mm厚フロントアルミパネル、サイズアップし放熱効果を高めたアルミ押し出しケースの採用など、旧モデル「SRM-252S」から設計のアップデートを図った高品質モデル。
アンプ初段には最新のローノイズFETを選別して採用し、出力段にはブラッシュアップしたというエミッタフォロワー回路を搭載。近年のドライバー開発の流れを汲む最新の設計ノウハウをコンパクトな筐体に凝縮。
入出力にはパラレルアウト端子を搭載。様々なシステムに組み合わせやすいように配慮。
・定格入力レベル:125mV(100V出力時)
・利得:58dB
・高調波歪:0.01%以下(1kHz、100Vr.m.s. 出力時)
・入力インピーダンス:25kΩ
・最大出力電圧:280Vr.m.s.
・バイアス電圧:DC580V
・外形寸法:132(W)x38(H)x153(D)mm
・質量:540g
・付属品:RCAケーブル
◆ 担当者より
「SRS-X1000」はイヤースピーカー「SR-X1」と専用ドライバー「SRM-270S」を組み合わせた新たなエントリーモデルとして発売されました。
「SR-X1」に搭載されている新設計のユニットはラムダ系やハイエンド系のユニットと比べるとコンパクトな設計ですが、ただ小型化しただけではなく、パーツの継ぎ目を最小限にするなどの工夫により、上級モデルと変わらない正確なサウンドを再現できます。
超繊細で豊かな情報量、広い空気感の表現力、超絶ながら聴き心地の良いサウンドはSTAX静電型ならでは!!
高品質なサウンドはもちろん、ジャパン・ハンドメイドならではの品質の高さは唯一無二の製品としてお勧めいたします。
ドライバーユニットを単品販売している上級モデル「SRM-D10MK2」や「SRM-400」などで聴くと更に高音質が望めます。
すでにドライバーをお持ちの方や、より高音質を望まれる方は、イヤースピーカー「SR-X1」の単品購入もご検討ください。