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音場工房

[ 2024年 4月 23日付 ]



ムジカノートより、スーパーツイーター第三弾「S-STW101」新発売!!!


皆さま、こんにちわ! ハイエンド担当の"ichinose"です。
今回は、ムジカノートより発売されたスーパーツイーター「S-STW101」をご紹介いたします。

ムジカノートのスーパーツイーターは「S-STW01」「S-STW201」に続いて第3弾となる製品です。
製品の構成としては、好評の「S-STW201」の低価格版として開発された商品ですが、定格入力電圧以外は「S-STW201」と同等性能を維持しており、高いコストパフォーマンスを誇る製品です。


(スピーカー取り付け時)

(正面)

(斜め右・前)

(斜め左・後)

(裏面)

◆ スーパーツイーター「S-STW101」の主な特徴

・約20kHz~150kHzの再生が可能な高分子圧電ハイル型ドライバー+ショートホーンを搭載
・長めのショートホーンにより、20kHz付近の出力を強化しフルレンジスピーカーなどとの相性を改善
・キャビネットは薄板を曲げた美しいフォルム、木目が活きる仕上げ(ブラック仕上げ)
・ハイパスフィルタ用コンデンサの交換が可能なので、メインスピーカーに合わせてレベル調整、カットオフ周波数の調整が容易。


(ユニット)

音楽の微妙なニュアンスの表現再生には再生機器の過渡特性が重要で、スピーカーシステムの過渡特性を向上させるには高域側に帯域を伸ばす必要があります。十分な過渡特性で再生するためには、少なくとも一般的な大人の可聴帯域(~15kHz)の5倍程度の帯域(~75kHz)が必要と言われています。

「S-STW101」は150kHzまでの再生を実現。お使いのメインスピーカーに「S-STW101」を並列接続することで、生音に近い微妙なニュアンスや息使い、ホールの雰囲気まで感じる事ができるようになります。


◆ スーパーツイーターの接続に関して

「S-STW101」にはネットワークが装着された状態でお届けいたします。出荷時には0.22μFのコンデンサーが実装されている状態で梱包されています。
その他の付属のコンデンサー容量は:0.1μF×2,0.047μF×2,0.022μF×2,0.01μF×2の4種類が付属しています。


(底面)

接続はお使いのスピーカーの端子に並列に接続するだけです。
特にスーパーツイーター用として販売しているケーブルでなくても、手持ちのスピーカーケーブルでも何ら問題ありません。


◆ メインスピーカーのインピーダンスと能率の違いによるコンデンサー容量

図のように(理論上では・・)

・スピーカーの能率が低くなるとコンデンサーの容量は小さく。
・スピーカーのインピーダンスが低くなるとコンデンサー容量は大きく。


◆ メインスピーカーの周波数特性によるコンデンサー容量

・スピーカーの高域周波数特性が伸びている場合はコンデンサーの容量は小さく。
・スピーカーの高域周波数特性が低い場合はコンデンサーの容量は大きく。

しかしながら・・・近年のスピーカーシステムを見ると、多くは20kHz以上まで十分音圧があることが多いことから、質感向上のためのスーパーツイーター追加を考えた場合は、あまり周波数特性にこだわる必要はありません。


(ハイパスフィルター)

コンデンサー1個の直列接続はカットオフは-6dB/oct(シンプルな1次フィルター)となだらかであり、スーパーツイーターで音圧レベルを上げるよりも、メインスピーカーの音圧や音色はそのままで、質感向上のためのニュアンスを加えると考えた方が良いと思います。

メーカーによる推奨のコンデンサー表も参考にしてください。

※カットオフ-6dB/octは1オクターブの音程で電圧が1/2になる、メインスピーカーとの調和を重視した、なだらかなカーブです。
※スーパーツイーターは20kHz以上の再生となるためスピーカーの音圧レベルも基本的にあまり気にする必要はありません。
※まずは標準の0.22μFをそのままで試し、少し抑えたければ0.1μF、0.047μFなどを試してみてください。

※注意※ コンデンサー容量は必ず0.22μF以下を接続してください!容量の大きなコンデンサーを接続すると低域成分が入力されて故障の可能性があります!!


(付属コンデンサー)

付属のコンデンサーにはYラグが取り付けられているので+ドライバー1本で交換できます。底板はなく、引っくり返せば赤いコンデンサーが見えます。この小さな赤いコンデンサーを交換するだけで、システム全体の能率感や音色、音の品位までもが変化するのは非常に面白く、わくわくします!!


(裏面+ドライバー)

※注意※ 取り付けネジは完全に外してしまうと復旧が困難となるので、2mm緩める程度にしてください!!


◆ スーパーツイーターの設置に関して

ユニットの置き場所に関しては位相を合わせる必要があります。まずは、接続するスピーカーのバッフル面か、ツィーターユニットの正面位置に合わせた場所に置いて問題ありません。スーパーツイーターは非常に高い周波数なので、波長は大変短く、30kHzで約12mm、60kHzでは約6mmとなります。正相/逆相の調整も組み合わせれば、設置位置はこの半分の範囲となります。

その範囲で前後移動させて、高域が滑らかに、音場空気感/奥行き感が感じられるポイントを見つけましょう。1mmの前後の調整でも結構、聴こえ方が変る事がありますが、基本は地道な調整なので長い目で取り組んでください。可能ならご家族友人の手を借りてツィーターの位置を動かしてもらい、自身はリスニングポジションで試聴するというスタイルが良いです。

まずは接続するスピーカーの振動版のポイスコイルの位置に合わせるのがおすすめです。ツイーターが搭載されている場合はバッフル板面に合わせる、フルレンジなどの場合は少し後ろにオフセットしてボイスコイルの位置を合わせます。

ケーブルの+-を正相/逆相で試して好みの方を設置位置の基準としてください。
後は、微調整です。前後に少しずつ動かして最も違和感がない位置に合わせますが、焦らずに時間をかけて調整することがコツとなります。


(メインと設置位置)

※注意※ 最高再生周波数が20kHzに満たないスピーカーの場合
「S-STW101」はやや長めのショートホーンによりユニットの最低再生周波数付近の出力特性が改善されていますが、20kHz以下は急速に音圧が落ちた特性となっています。
最高再生周波数が20kHzに満たないスピーカーの場合、音質的に繋がりが悪く不自然な音になる可能性がありますのでご注意ください。

※注意※ 安価なD級アンプの場合効果が発揮出来ない場合があります(高域が20kHz以下の製品が多いため)。
A級、AB級(高品位なD級アンプ)など高域特性の優れたアンプをお使いください。


◆ 担当者より


(ケーブル接続)

20kHz以上の帯域を強化するスーパーツイーターはどのような効果があるでしょうか!

その効果は、高域が改善されるのもちろんですが、意外にも低域のレスポンスが驚くほど改善します。高域の過渡応答特性が改善された事により、全帯域に渡り、フォーカスのエッジがシャープになり、改善が難しい低域への効果が期待できます。

残念ながら、村田製作所、パイオニアなどの人気のあったスーパーツイーターは生産完了となり、現在では海外の高価な製品しかなかったため、このムジカノートは救世主といえます。

現在ではほとんどのスピーカーがハイレゾ対応を謳っていて、20kHz以上を再生できるスピーカーも数多く発売されておりますが、高域ユニットは中域の低い周波数の再生も担っているため、高い周波数になると正確な再生は難しくなってしまいます。

そんな時は、超高域再生専用のスーパーツイーターを追加することで、高域を補強する事ができます。

スーパーツイーターの場合は可聴帯域以上の20kHzより上の周波数を再生するため、接続するスピーカーの音圧レベルは基本的に気にする必要ありません、アッテネーターなどによる音量調整も必要ありません。

容量の小さいコンデンサーにすることで、より高域にシフトし、容量が大きくなると低域にシフトされます。

メインスピーカーのインピーダンスや能率により調整が必要な場合がありますが、これもあまり神経質になる必要はありません。
まずは標準の仕様のまま接続して様子を見ることをお勧めします。

接続ケーブルはお使いのスピーカー端子に並列に接続するだけです(アンプから直接でも可能)。
特にスーパーツイーター用として販売しているケーブルでなくても、手持ちのスピーカーケーブルでも問題ありません。

また、どちらかと言えば比較的細めのケーブルの方が音は聴きやすくなりお勧めです。(一般的なメインスピーカーと比べるとインピーダンスが高いため流れる電流は大幅に少ないため)
逆にあまり太いケーブルを接続するとメインスピーカーの逆起電力の影響を受けやすくなる可能性があります。

※品質の高いフェルトやハネナイト等の振動対策について
音響用などの高品質な振動吸収素材をスピーカーとの間に挟むと防振効果により音質改善する場合があります。
高音に力強さや切れ味が改善される場合があります!!


◆ 試聴してみました

接続したスピーカーは、クリプトン「KX-3P-2」。インピーダンス:6Ω、音圧レベル:86dB、周波数特性:40Hz~35kHz、ハイレゾ対応の密閉型ブックシェルフスピーカーです。

「KX-3P-2」の高域特性は40kHzまで再生可能なので、スペック的には必要かな? と思われるかもしれませんが、その効果は抜群です。
ほぼ全帯域に渡り、フォーカスが絞り込まれて、解像度が上がったサウンドを聴かせてくれます。
特に音量を絞って聴いている時でも低域にリアリティーが加わり、密閉型の弱点を補ってくれているように感じました。

ネットワーク(コンデンサー容量)に関しては特に変更が必要だとは思いませんでしたが、リスニング環境やボリュームなどによって、かなり感じ方が変わるようなので、ご自身で色々とお試しください。

「S-STW101」から直接音は聞こえませんが、全体の音の切れに大きく影響します。「S-STW101」の音圧レベルが高いと全体的にきつい音になってしまいます。その場合はコンデンサーの容量を小さくしてお試しください。

スピーカーを買い替えるのは、お財布的にも、物量的にも大変ですが、スーパーツイーターの追加は、とても簡単にできますし、また楽しくもあり、アクセサリーとしても投資効率が抜群に高いと思います。

最終的なセッティングでは、お気に入りのメインスピーカーの音色や特性はそのまま変えずに、スーパーツイーターを加えたことによる、補助的なリアリティーアップアイテムとして使う事が出来ると、末永く付き合えると思います。






今回ご紹介した『 S-STW101 』はこちら

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